ナチュラル・ウーマン  
2010.10.17.Sun / 14:30 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。






同性愛を描いた映画というよりは、
自分が自身に向けた愛憎を、描いた映画のように感じられた。
出会ってしまった相手、好きになってしまった相手に対して、
自分と同じ本質を見出してしまった時、
その人への愛情は自己への愛情に通じるものがあり、
その人への憎しみは自己嫌悪に通じるものがある。
そんな相反する感情を持て余した女性を描いた映画。

表面的な映画になってしまってはいるが、
緒川たまきさんの雰囲気と存在感が素晴らしい映画。



漫画同人サークルで出会った容子と花世。
対照的に見えるようでいて、実は気が強い、似たもの同士。
最悪の出会い方をし、お互いに対立しながらも、
次第に魅かれて行く二人。
魅かれながらも相手を拒絶する。
好きなはずなのに相手を傷つける。
作品に対する自分の感情は決して妥協しない。

花世は無意識のうちに、
容子の中に自分を見出していたのではないのだろうか?
自分を愛し、しかし、嫌悪し、憎む。
しかし、自分からは逃げることはできはしない。
そんな感情を持て余した結果の自殺のように、
私には感じられた。

一人取り残された容子。
いつでも過去を捨てられると思っていたが、
本心では、捨てられないでいる。
すでに癒えた傷跡からでも、痛みを感じるのは、
過去を捨てきれては、いないからであろう。

自殺直前の花世が燃やしてしまったと思っていた自分の作品。
しかし、それは廃墟と化したビルに、まだ残されていた。
自分からの別れ話が、花世を自殺に追い込んだ、と思っていた。
けれど、それは違うのだろう。
そして、花世は容子を、別れ話の後でも変わらずに好きだったのだろう。

自分の自身に向けた嫌悪感。
そんな感情を持て余し、自殺してしまった女性を描いた映画。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
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