運命を分けたザイル  
2010.10.28.Thu / 22:23 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。






例えば、人間が玉ねぎだとして、
皮を次々と剥いていったのならば、
芯には、なにが残るのだろう。
それはきっと、生への執着心。

冬山のクレバスに取り残された男。
想像を絶する下山の困難さ。
その困難さの中で徐々に失われてゆく自分。
それでも、しかし、前に進み続ける。
そんな、人の持つ生への執着心が印象的な映画。

そして、ザイルをあの時切らなければ、
多分、サイモンは死んでいたのかもしれない。
ジョーが生還できたのはサイモンが、
ベースキャンプを離れなかった為であり、
もし、あの時、サイモンが死んでいたのなら、
共倒れになっていたかもしれない。

瀕死のジョーがサイモンに最初に発した言葉。
それは、仲間に対する深い信頼と思いやり。
同じ死地を潜り抜けてきたからこそ、
交わすことが出来た言葉なのだろう。
そんな二人の友情も美しい映画。
アンデスの山に挑む登山家。ジョーとサイモン。
登頂には成功するものの、下山にアクシデントが彼らを襲う。
そして、やむをえないとはいえ、
一人、クレバスに取り残されてしまうジョー。
そこからジョーの決死の下山が始まる。

先のことを考えれば途方にくれてしまう。
だから、まずは一歩ずつ。
20分後のゴールを目指すジョー。
それは、人生の歩みにも似ている。

落ち込んでしまったクレバスを登ることは出来ない。
ならば、ここで死ぬか。さらに下に落ちるか、、、
自らの命が掛かった決断。
普通ならば、なかなか決めることも出来ないだろう。

過酷な環境、徐々に奪われてゆく体力と気力。
そして進むごとに転び、転ぶごとに感じる苦痛。
すでに正気も失われていたのかもしれない。
最後には苦痛を感じる感覚さえ失われていたのかもしれない。
けれど、無意識であっても、前進を止めないジョー。
それは、きっと自身の奥底にある生への執念が、
前進するという行為を自身にさせたのだろう。
無意識のうちに。

そんな、人の持つ生への執着心が印象的な映画。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
No.834 / タイトル あ行 /  comments(0)  /  trackbacks(0) /  PAGE TOP△ 拍手する
COMMENT TO THIS ENTRY

  非公開コメント
TRACKBACK TO THIS ENTRY

ご注意

ブログ内検索

全ての記事を表示する

プロフィール

ヤン

銀河英雄伝説名言録



present by 田中芳樹:徳間書店「銀河英雄伝説」

フリーエリア

FC2カウンター

フリーエリア

ブロとも申請フォーム

フリーエリア

CopyRight 2006 Heaven of the Cinema All rights reserved.