スパルタカス  
2010.11.11.Thu / 22:05 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。






人が人として生きる為に必要なこと。それは自由。
自由を奪われた奴隷たちは、
自分たちの生き方も、そして死に方すらも、
決める事が許されない。
奴隷たちの自由を得るための戦い。
しかし、それも貴族の政権争いに踏みにじられてしまう。
されど、今日敗北したとはいえ、
自由への戦いは、いつの日にか勝利を収めるのだろう。
奴隷たちが持つ、自由への渇望。
その想いが印象的な映画。

そして、脚本、テーマ、演出がどうも一致していないように感じた、
ちょっと残念な映画。


「自分は獣ではない。」
しかし、貴族の奴隷の扱いは、獣そのもの。
生き方も死に方も自由には決められない。
奴隷として生きなければならないスパルタカス。
しかし、自由への、人間らしい生き方への渇望を抑えられない男。
剣闘士として商人に買われたスパルタカス。
そこで出会った女性、バリニア。
お互いに惹かれてはいくものの、
話をすることはおろか、お互いを見ることすら許されない。

貴族の余興の為に、仲間と殺し合いをしなければならなくなった。
それは、人として絶対に、したくはない事、されたくもない事。
自らの死を持って、その命令に拒否を示したトラバ。
そして、貴族の気まぐれの為に愛するバリニアとも引き離されそうになる。
ついに怒りを爆発させるスパルタカス。

もし、スパルタカスがいなければ、反乱は、ただの暴徒と化していただろう。
しかし、自由になりたい理由は貴族への復讐の為ではない。
人として生きる道を、皆に諭し導くスパルタカス。
だからこそ、皆が慕ってきたのだろう。

生まれ故郷への逃避行を決める反乱軍。
彼らを見逃せば、誰も傷つかない。
けれど貴族のプライドと体制維持のためには見過ごすことは出来ない。
自らの出世の為にスパルタカスを撃とうとする貴族、クラサス。
自らの出世とローマの繁栄の為ならば、
兵士たちや奴隷たちの犠牲など厭わないのだろう。
そして捕まえられるスパルタカス。



キューブリックが描く戦場シーンの壮大さ。
その他のシーンでも、一つ一つが立体的で奥行きがあり、しかも絵画の様に美しい。
けれど、この映画のテーマを引き立てるには至ってはいない。

映画の後半になると貴族同士の腹の探りあいや政権闘争が中心になってくる。
英国の名優三人の演技は見事であり、貴族の腹黒さも表現はされているものの、
スパルタカス側の描写がかえって弱くなっていく。
自由への渇望に対する描写も弱くなってしまったように思えてならない。

そしてラストシーン。
自分の子供が生まれた時から自由であることを喜ぶスパルタカス。
ただ、スパルタカスがやってきた事の結果に結びついていないのが残念。

そういう意味で、脚本、テーマ、演出がどうも一致していないように感じてしまう。
3時間の長さを感じさせない映画だっただけに、ちょっと残念な映画。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
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