デリカテッセン  
2010.11.25.Thu / 20:46 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。






舞台は近未来なのに、なぜか風景は古めかしい。
残酷な場面や、恐ろしげな部分もあるかと思えば、
笑える場面や、ほのぼのしたシーン、
幸せを感じる風景までもある。
奇妙な登場人物たちは、
愛着が湧くか嫌悪の対象になるか、微妙なところ。
どんな映画に分類していいのか、わからない映画ではあるが、
しかし、これがジュネの映画なのだろう。
この監督らしさが詰まっている。
細部にまで、作り込まれた、こだわり。
そして、ラストシーンの幸せ。
おとぎ話のような映画。



食料が足りない近未来の世界。
しかし、なぜか肉を売ることができるデリカテッセン。
それは店の階上に住む住人を殺し、その人肉を売っているからだ。
そうとは知らず、好条件に誘われて、ここに住むことを決めたルイゾン。
肉屋の娘、ジュリー。
父親の行為に嫌悪する近眼の女の子。
そして恋に落ちる、ルイゾンとジュリー。

二人が恋に落ちるシーン、そして、
ジュリーが、そわそわと、部屋でルイゾンを待つシーンが、
微笑ましくも可愛らしい。
しかし、二人の恋が父親の憎しみを買い、
ルイゾンが肉となって売られる時がやって来てしまう。

父親から逃げようとし、追い詰められた二人。
しかし、「これしか方法が無い」
とルイゾンが取った行動が突飛で、いかにも漫画的。
そして、水中での幻想的なキスシーンの優雅さ。

様々な印象を持つシーンが沢山詰まった映画。
けれど、細部にまで作り込まれた場面からは、
製作サイドの極端なまでのこだわりを感じる。
そして、バラバラであるはずのピースが、
なぜか調和を持って映画の中で共存していることの不思議さ。

映画のラスト。屋根の上で楽器を奏でるルイゾンとジュリー。
いろいろな出来事が起こり、この先にだって、何が起こるかわからない。
けれど、最後のシーンからは限りない幸せと安らぎを感じてしまう。
おとぎ話の最後を飾るにはピッタリのラスト。

サスペンス?
ファンタジー?
どう分類していいか判らないが、
あえて分類すれば、これは確かにジュネの映画。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
No.842 / タイトル た行 /  comments(0)  /  trackbacks(0) /  PAGE TOP△ 拍手する
COMMENT TO THIS ENTRY

  非公開コメント
TRACKBACK TO THIS ENTRY

ご注意

ブログ内検索

全ての記事を表示する

プロフィール

ヤン

銀河英雄伝説名言録



present by 田中芳樹:徳間書店「銀河英雄伝説」

フリーエリア

FC2カウンター

フリーエリア

ブロとも申請フォーム

フリーエリア

CopyRight 2006 Heaven of the Cinema All rights reserved.