ネコを探して   
2010.12.21.Tue / 20:00 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。






ネコは、見ているだけで癒される。
この映画に登場するネコたちも、それは同様だ。
けれど、この映画からはそんな見方を許さない雰囲気が溢れている。
ネコと人の関わりを描いた映画というより、
ネコを題材にして人間社会の問題を描いたドキュメンタリー映画。



ネコは自由の象徴である。
決して人にはこびず、したい時にしたい事をする。
フランスではフランス革命の前まではネコは嫌われていたそうだ。
けれど、人には自分で自身の人生を決める権利があるはずだという思想に、
人々が目覚めた時、
ネコの生き方も脚光を浴び、自由の象徴となった。
しかし、それでも、人々の営みにはネコと言えども無関係ではいられない。
水俣病で最初に犠牲になったのは、
それまでは漁師たちと共存していたネコたち。
そして原因解明の為に死んでいったのもネコたち。
確か会社には営利を追求する権利を持っている。
しかし、同時に自然を守るべき義務をも負っているはずなのだ。

ネコを駅長にすることで廃線を免れたローカル線。
利益追求とネコとの共存。
ここでも、それは、とても危ういバランスで成り立っている。
たしかに駅長であるタマは大事に扱われている。
したくはない事は強制されてはいないようだ。
けれど本来ネコがしないであろう乗客を見送る、
という行為をしているタマからは、
利益追求とネコとの共存の難しさを感じてしまう。

イギリスで線路保全に従事していたネコたち。
けれど経営合理化の為に首になってしまう。
タマがこのようにならない事を祈りたい。


自分のネコを守りたい。
だから、自分が見ていない時に何をしているか知りたかった。
でも知ってみても何もできない。
監視カメラが増加している都会。
けれど、カメラは犯罪をとめることは出来ない。
より、不安を掻き立てるだけ。


確かにネコは見ているだけで癒される。
それが商売になるのは仕方の無いことなのかもしれない。
そしてネコをかわいがる気持ちは純粋で本物だ。
けれど、一方で飼い始めて2年以内に7割のネコが捨てられるのも事実だ。
そして、ネコがかわいいという気持ちは、
ネコカフェやネコホテルには、向くものの、
毎日殺傷処分されているネコたちに向かっていかないのも事実だ。
「値段はつくが価値はない」。この台詞もとても重い。


人の臨終を看取るネコ。
しかし、人員不足で人間が、
その人たちの臨終を看取ることが十分には出来てはいない、という事実。


ネコは人間の理想とする生き方をしている。
自立していて、自由。
しかし、そんな生き方がネコも人も出来なくなりつつあるのかもしれない。
ネコを題材にして人間社会の問題を描いたドキュメンタリー映画。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
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