ミックマック  
2010.12.27.Mon / 20:00 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。






兵器産業という、きな臭い題材ながら、
それでも、やはり、これはジュネ監督の映画。
細部までのこだわり。愛着の湧く小道具の数々。
近代的なのにレトロさを感じるパリの風景。
ヘンテコなのに、愛すべき登場人物たち。
彼らが繰り広げる、真面目ないたずらの数々に、
風が吹けば桶屋が儲かる的な、いたずらの顛末。
そして、とても幸せを感じてしまうラストシーン。
ますます、ジュネ監督が好きになってしまう。
まさに、ジュネ監督の映画。



父を奪われ頭に弾丸を打ち込まれた男、バジル。
仕事も住居も、人生の全てを兵器に奪われた男だ。
けれど、そんな男でも助けてくれるホームレスの人々がいた。
偶然にも自分の人生を奪った兵器会社の名前を知ったバジル。
自分のような被害者の存在を無視した、彼らの傲慢さ。
復讐を誓うバジル、しかし、どうやって?
そんなバジルに協力を申し出る、ホームレスの家族。
家族ならば秘密も願いも共有すべし。
そんな彼らの心意気が気持ちいい。

彼ら一人一人の特技を生かした復讐劇。
けれど、復讐に付き物の後ろ暗さが感じられない。
それは、彼らの行為が、いたずらの延長線上にあり、
誰も傷つかないからであり、見ていてとても微笑ましい。
スパイ大作戦の様でいて、少年少女たちのいたずらの様でもある。
見ていて楽しくなるようなシーンの連続。

この映画は兵器産業というきな臭い題材を扱っている。
最後に、孤児たちの写真を抱えて無言で社長二人に迫る人々。
このシーンからは圧倒的な迫力を感じる。
きっと兵器会社に対する無言の抗議であり、
しかし、これ以上をやってしまうと映画の雰囲気を損ねるという、
ギリギリの表現だと思える。
しかし、それでも、このシーンを入れたかったのだろう。

復讐を終えて、最後に訪れる幸せなシーン。
例え、ガラクタに囲まれていようとも、
人生の全てを失おうとも、幸せはやってくるのだ。
それは、一見無価値とも思えるような特技やガラクタの中にでさえも、
人生を幸せにすることができる力が宿っているということなのだろう。

ますます、ジュネ監督が好きになってしまう。
まさに、ジュネ監督の映画。


* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
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