ラブリーボーン  
2011.01.15.Sat / 12:05 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。






突然過ぎる悲劇的な死。
殺害された少女の無念さ。
残された家族の大きな喪失感。
しかし、少女は自らの死を受け入れる。
そして、家族は再生への一歩を踏み出す。
この二つはまったく無関係ではない。
片方に未練があれば、もう片方には悪影響が出てしまう。
だから、死者はいつかは送り出してあげなければならないのだろう。
たとえ時間が掛かったとしても。
命を失ったとしても絆は永遠なのだから。
突然の喪失からの再生、そして少女の精神的な成長を描いた映画。

とてもキュートなシアーシャ・ローナン。
そして結構、優等生的演技をする女優さんだと感じた。
そんな彼女の素敵な表情がたくさん詰まった映画。




若くして、その命を奪われてしまった少女、スージー。
天国に行くことも出来たであろうが、この世界への未練の為に、
天国と現世との間に留まっている少女。
このような映画では、たとえば、死んでしまった魂が、
家族を癒したり、導いたり、守ったり、
犯人を暴いたりするのがよくあるパターンではある。
だから、私もそのように予想してみたが、
この映画ではまったく違った展開を見せる。

スージーは、現世に直接的な影響を与えない。
しかし、現世の家族とスージーとは、
精神的には大きく影響を与えあっている、繋がっている。

現世への未練の為に天国に行かないことをスージーが決めた時、
父もスージーの存在を感じることが出来た。
それは二人が互いを思う強さ故なのだろう。
けれど、それは共に未来を見ていない、
後ろを見ているということなのだろう。

スージーが抱えている、現世への未練。
自分が居ない世界を受け入れることが出来ない。
いつまでも、自分を覚えていて欲しい、忘れないで欲しい。
恋人とのキスを経験したい。
そして、犯人への強い憎しみ。

それらは突然に自分の未来を奪い取られた、若い少女としては、
当然の未練なんだろう。

しかし、自身が持つ強い憎しみや未練が、逆に父親を縛り付けて、
ついには、大きな怪我をさせてしまったことをスージーが知った時、
スージーは父を自由にしてあげたいと考えたのだろう。

自らの肉体が処理されようとする直前、
犯人を追い詰め捕らえるよりは、恋人とのキスを選択したスージー。
憎しみからは何も生まれないことを悟ったからであり、
そして、それは天国に旅立つ為の準備なのであろう。

長い苦しみの末に、立ち直りつつある、家族。
犯人が見つかった為なのか? いや、
スージーが家族を解放し、
家族がスージーを解放したからだと思いたい。
そんな思いやりが、逆に家族としての絆につながるのだろう。


命を失ったとしても絆は永遠であることを悟った家族。
突然の喪失からの再生、そして少女の精神的な成長を描いた映画。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
No.854 / タイトル ら行 /  comments(2)  /  trackbacks(1) /  PAGE TOP△ 拍手する
COMMENT TO THIS ENTRY
- from YAN -

ヤンさん、こんにちは!
この映画のラスト、私には不満でした。(^^;

スージーは父を自由にしてあげたいと考えたけれども、
具体的に父の為に何をしたのか、ピンときませんでした。
スージーが現世への執着を捨てる事が、
父を解放した事に繋がるって事でしょうか。

なんかスッキリしない終わり方でした。

2011.01.15.Sat / 18:08 / [ EDIT ] / PAGE TOP△
- from ヤン -

YANさん。こんばんわ。

 確かにすっきりとしない終わり方だったかもしれません。少なくとも分り難い映画だった気がします。
 まあ、あくまで私の考えなのですが、残された者が死者を気持ちよく送り出してあげないと死者はこの現世をさ迷う、って言いませんでしょうか? 私が感じたのは、その逆というか、死者が未練を持ったまま現世をさ迷うと家族も送り出せないのかなあ、と。逆に言えば、死者と家族とは深い繋がりがあるということでしょうか。良いにつけ、悪いにつけ。そんな絆があれば送り出してあげられるのかも知れません。


それじゃ、また。

2011.01.16.Sun / 17:20 / [ EDIT ] / PAGE TOP△

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「ラブリーボーン」の意味、私が思っていたのと違った。 これじゃあ、私のほうが成仏できませ~ん! 監督:ピーター・ジャクソン  製作:2009年 アメリカ・イギリス・ニュージーランド 出演:*...
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