悪夢のエレベーター  
2011.02.10.Thu / 16:37 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。

この映画を未見の人は、映画を見てから下記を読んでください。
ネタバレ満載なので。
お願いします。





自分の人生は、すでに消化試合。
それは、実は遥か以前から感じていたこと。
それが、現実となった今、しかし、
男はバットを振る、ボールを投げる。
なぜなら、バットを振らなければ、ボールを投げなければ、
次に何かが起こらないから。

自分の人生が、
すでに消化試合であったことを実感させられた男。
それでも人生に挑み続ける。
そんな男の悲痛な叫びが印象的な映画。


ストーリーが2転3転。
その変化も楽しめる映画ではあり、
特に佐津川さんの演技は見事で、
2度見て確認する価値はあると感じた。
しかし、説明過多の為、2度は見たいと思っても、
3度目の観賞をしたいかどうかは、判断が難しいところ。
特に、最初の種明かしをするシーンが長すぎた感じがする。
そこが惜しい映画。

初めて監督を務めた堀部さん。
初監督であるにも関わらず、とても面白く観賞できた。
堀部さんは、映画というものを、よく勉強されていると感じた。
探偵業を営む安井。
すでに、自分の人生が消化試合ではないか、と感じている男。

浮気した男の本音を聞き出す。
その依頼を実行するために、
密室を作り、芝居をして、遂には本音を聞き出すことに成功する。
しかし、その直後、男は死んでしまう。
そして、本意ではない殺人も犯してしまう。

罪を犯してしまった。人を殺して、それを隠してしまった。
今後の人生は後悔を背負ったまま、過ごすことになるだろう。
ついに、自身の人生が消化試合であることを実感せざるを得なくなった安井。

本意ではない殺人。それは犯行を隠すために行ってしまった事。
本当は殺したくはなかった。
けれど反射的に自身の身を守る行為を実施してしまったのだろう。
そのとっさの判断が、自身の人生を消化試合にしてしまったのだ。
本当は殺したくはなかった。
その想いが浮気相手の女性を生かしたい、という想いにつながったのだろう。

最後の凶行を止めるべく、女性の部屋に向う安井。
すでに手遅れかもしれない。
それは彼女を助けるというだけではなく、
自身の人生を助けるという意味においても。
けれど、殺人を止めたい。
それは、ボールを投げなければ人生は進まない。
バットを振らなければ結果はでない。
どんな境遇に置かれても、
自分の想いで人生を前進するしか道がないと悟ったのだろう。
そんな男の悲痛な叫びが聞こえてきそうなラスト。
とても後味が悪い映画ではあるが、
安井の挑戦によって、不思議な余韻がラストに漂う。

それでも人生に挑み続ける男の悲痛な叫びが印象的な映画。




この映画での本当の黒幕は、佐津川さん演じるカオルではなく、
依頼元である妻の麻奈美であるという解釈を後で知った。
「針千本も要らない、一本で十分」
というセリフがカオルが入れ替えた注射器を暗示しているそうだ。
であるならば、一人にしないでは欲しいの後のセリフを、
「出産に立ち会って欲しい。できないなら針一本」
ではなく、
「浮気はしないで欲しい。うそついたら針一本」
の方が良かったと思う。これはこれで、説明過多ではあるが、、
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
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