ジェネラル・ルージュの凱旋  
2011.02.10.Thu / 16:41 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。




全部受ける
そんなワガママを言い続ける辛さ
そんなワガママを言い続ける強さ
そして信頼


医療問題を扱う社会派映画としては突っ込みが甘く、
意外な犯人を推理するサスペンス映画としては工夫が少ない。
しかし、救急医療病院で働く人々を描く娯楽作品としては、
とても面白い映画。
同時に彼らの真摯さ、大変さもよく伝わってくる。
癖のある登場人物を演じる見事な俳優たち。
そんな彼らの息の合ったセリフの掛け合いも見事。

全部受ける。
そんな、わがままを言い続けた男。
わがままを言うことで部下には苦労を掛け、
業者にも無理を強いてきた。
しかし、彼にも人としての弱さがあった。
リーダーとして理想を追求し、信念を押し通すことの難しさ、大変さ。
そんなリーダーの難しさが印象的な映画。




救命救急センターで部長を務める、速水。
死にかけている人を助けたい。
子供のように純粋に、その想いを貫こうとする男。
しかし、それは、とても難しい願い。

儲からない救命救急。
一週間も帰宅できないほどの激務。
そして、設備や薬品などの不備、不足。
最初は、速水は金に汚く独善的な男のように描かれる。
しかし、公聴会の席上、
なぜ彼が金に汚いのか、
一見独善的に見える彼が、如何に自分の部下を、そして、
救命救急のあり方について、考え、悩んでいたのかが分かる。
そして、このような非合法な方法や、
正規でない手段に訴えざるをえなかったのか。
そんな追い詰められた彼の苦悩をも理解することができる。


ショッピングモールで発生した大火災。
次々と運び込まれる救急患者、けが人たち。
時に非情な判断を迫られる、まさに戦場のような状況。
それでも、ひるむことなく、一つでも多くの命を救う為、
この大災害に立ち向かう、病院の医師、看護婦たち。
そして、最前線で彼らを指揮する救命救急センターの医師。

「お前の判断は、おれの判断だ。迷うな!」
いままで部下に無理を強いてきた速水センター長。
それは裏を返せば、速水が彼らを、
強く信頼してきたということなのだろう。

この最悪の日の為に備えてきた設備によって、
急場をしのぐことができた。
そして明かされるメディカル・アーツの磯辺さんの逸話。
こんな人たちが影で日本の医療を支えているのだろう。

多くの人を助けたい。その指揮を執る速水センター長。
日頃はジェネラルと呼ばれ、傲慢を通してきた。
しかし、大災害を前にして、その重圧に耐え切れず、顔面は蒼白だ。
それでも、自分の信念を、理想を実現する為に、必死に自分と戦う。
ジェネラル・ルージュと呼ばれる理由。
それは、ジェネラルと呼ばれている彼にも弱さがあり、
しかし、その弱さと戦わなければならないリーダーとしての辛さ、厳しさがあり、
その弱さと戦う彼の姿を指しているのだろう。

そんなリーダーとしての難しさが印象的な映画。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
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