女の子ものがたり  
2011.02.24.Thu / 21:44 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。






幸せになりたい。でも、
自分たちは決して幸せになんかなれないと判っていた。
何時までも三人で一緒に居たい、でも、
いつかは、この街を出て帰らず、
バラバラになる日が来ることを知っていた。

しかし、その日が現実となった時、
人生は思っていたよりも過酷なものであることを知った彼女たち。
けれど、生きてゆく。
たとえ離れ離れになったとしても。
親友は永遠の存在だ。
そして、親友たちの存在が自分に幸せを運んでくれる。

友達を探した、そして、幸せを探した少女たち。
過酷な環境に負けそうになるものの、
しかし、親友も幸せも確かに見つけることができた。
か弱く、男たちや貧乏に翻弄されながらも、
しかし、彼女たちはたくましい。

女の子たちが捜し求めた幸せと友情、
そして、彼女たちの、たくましさが印象的な映画。




母親の再婚で田舎に越してきた、なっちゃん。
そして、友達になった、きいちゃんとみさちゃん。
小学生でありながらも、しかし、
世の中の厳しさを薄々感じている彼女たち。
特に、女の子は男の子と違い、様々な障害が待ち受けている。
結婚する男によって決まってしまう自分の人生。
女の子が田舎の町を出ていくことの大変さ。
自立することの難しさ。人生の選択肢の幅の狭さ。
そんなことを薄々感じているからこそ、
自分たちは幸せにはなれないと感じているのだろう。
けれど、人生が思っていたよりも辛いものであることを知るのは、
まだまだ、先の事。


「ナツミは普通とちょっと違うで。違う人生が送れる」
義理の父に、そう言われ続けたなっちゃん。
確かに彼女は、他の子とは少し違う。
男の子に虐められ、力がない故に逆らえない、きいちゃんとみさちゃん。
逆に力があるから、恩着せがましくも、男の子たちをやっつける女の子。
なっちゃんは、両方ともに嫌いだと言う。
虐め虐められる関係。そして現状に流され、諦めざるを得ない状況。
恩着せがましくされる事。
そんな関係が厭だったのだろう。
そんな感じ方をするのは、あそこでは、なっちゃんだけだ。
そして、知らなかったことを恥じること。
その感覚も、なっちゃんだけのものだ。


「どこかに、わたしのことを全部好きな人がきっといますようにー」
私の全てを好きで、相手の全てが好きな人。
それが、なっちゃんにとって親友と呼べる存在。
その定義に照らし合わせてみれば、なっちゃんにとっては、
きいちゃんとみさちゃんは親友には成りえない。
しかし、それが本当に親友と呼べる存在のだろうか?
そして、全部好きな人でばければ、親友にはなりえないのだろうか?


大人になり、環境に流されて、人生を決めた、きいちゃんとみさちゃん。
男に殴られながらも、幸せだという。
けれど、それが本当に幸せなのかと否定する、なっちゃん。
人生において何が幸せで何が不幸なことなのか?
懸命に働いて、それでも殴られてしまうことは、
不幸なことなのだろうが、それだけで人生の幸せは量れない。

けれど、遂に仲たがいする、きいちゃんとなっちゃん。
そして、なっちゃんは町を出ていく。

町を出たなっちゃんは、きっと親友と幸せを探したことだろう。
しかし、自分が思い描いた親友や幸せには、
めぐり合うことはできなかったのだろう。
自分が書いた作品も世間には受け入れられず、
探した親友も幸せも見つけることは出来なかった。
人生に疲れ、迷い、自堕落な生活に陥ってしまったのだろう。


「この町を出て行け、そして二度と戻ってくるな。」
最初は喧嘩別れのようには見えた。けれど、
それは実は、きいちゃんからのエールの言葉。
町を出る以外になっちゃんの幸せはあり得ない。
そして、自分とは違い、なっちゃんの道はどこまでも続いている。
それを信じたからこその言葉であり、覚悟の決別なのだろう。

感性や考え方が違った、なっちゃんときいちゃんたち。
選んだ人生も異なる。分かり合えないところもあったかもしれない。
しかし、彼女たちは紛れもなく親友だ。
たとえ、相手の全部が好きでないとしても。
そして、そんな親友の存在が互いに幸せな気持ちを運んでくれる。

「私、友達のことを書いてもいいかな?」
その道の先にはきっと、三人の幸せが待っていることだろう。

女の子たちが捜し求めた幸せと友情、
そして、彼女たちの、たくましさが印象的な映画。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
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