2011.03.03.Thu / 14:10 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。






死に逝く最後の瞬間に帰れる場所がある人生は、
とても幸せな人生だ。
どんなに辛辣で不幸な生き方をしてきても、
生き続けられることは、幸せな事だ。
そんな幸せに不可欠な要素は、
共に人生をすごしてくれる家族とその愛情なのだろう。

劣等感に苛まれ、
酔いに任せて、してはいけないことをしてしまい、
さらに悪循環に陥ってしまった男。
しかし、それを許し最後まで連れ添ってくれた家族。

アルコール依存症を描いた映画かもしれない。
しかし、人生の幸せと愛情が心に染みた映画。




アルコール依存症に罹ってしまった塚原。
理由は誰にもわからない。
父親からの遺伝。父親と同じ過ちを犯している自責。
戦場での悲惨な体験。見てきた地獄の風景。
そんな風景を写真に収めることが出来なかった自分、その挫折感。
才能のある妻への嫉妬。
彼女の作品を破ってしまったことに対する深い後悔。
それらが原因の全てではないかもしれない。
けれど、塚原は、アルコールをやめられなかった。
決して、アルコール依存症は、
だらしのない男が掛かる病気ではない。
一度は酒を絶とうと決心した塚原。
しかし、些細な事で、元に戻ってしまう。
アルコール依存症は、簡単には直せない病気、
そして、誰にも同情も理解もされない病気なのだ。
最後には癌まで発症してしまう塚原。

まともに描いては正視に堪えられない状況ではあるが、
時にコミカルに、そして人情味に溢れて描かれているので、
楽しく、しかし、深く考えさせられ、感じさせてくれている。

最後に塚原は、家族のもとにかえってゆく。
題名の酔いとは、アルコール依存症の事ばかりではなく、
塚原の迷いのことのようにも感じられる。
家族に迷惑ばかり掛けてきた自分は、果たして家族のもとに戻れるのか?
そして、生きていても良い存在なのか?
果たして、私たちは家族と呼ばれていい存在なのか?
しかし、子供たちは無邪気に答える。私たちは家族だよ、と。
子供たちは、子供たちなりに現状を理解している、知っている。
父親がどんなにひどい行いを母にしたのか、分かっている。
しかし、酔った塚原の姿以上に、
しらふの塚原の父親としての良さを受け入れ、愛したのだろう。


死に逝く最後の瞬間に帰れる場所がある人生は、
とても幸せな人生だ。
どんなに辛辣で不幸な生き方をしてきても、
生き続けられることは、幸せな事だ。
それは家族に受け入れられたからこそ感じられる幸せ。
人生の幸せと愛情が心に染みた映画。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
No.868 / タイトル や行 /  comments(0)  /  trackbacks(0) /  PAGE TOP△ 拍手する
COMMENT TO THIS ENTRY

  非公開コメント
TRACKBACK TO THIS ENTRY

ご注意

ブログ内検索

全ての記事を表示する

プロフィール

ヤン

銀河英雄伝説名言録



present by 田中芳樹:徳間書店「銀河英雄伝説」

フリーエリア

FC2カウンター

フリーエリア

ブロとも申請フォーム

フリーエリア

CopyRight 2006 Heaven of the Cinema All rights reserved.