幸せはシャンソニア劇場から  
2011.03.10.Thu / 14:14 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。






劇場を愛した人たちの人間模様。
劇場を支える四人の男たちの友情。
離れ離れになった親子の愛情。
恋の三角関係。
過去の悲劇的な恋愛と、その遺児。

楽しいこと、幸せなことばかりではなかった。
辛いこと、苦しいこと、哀しいこと。
そんなことも沢山あった。

しかし、過ぎてしまえば、全ては美しい夢。
そんなノスタルジックな気分に浸らせてくれる、
劇場を愛した人たちの人生模様。
古き良き時代を描いた映画。





劇場を愛し、その復興の為に尽力した男たち。
一度は妻を寝取り、寝取られ、友情が壊れたものの、
しかし、劇場を復興させるという一つの目的のもと、
仲直りした男たち、ピゴワル、ミルー、そして、ジャッキー。
劇場の改装を行う三人が生き生きして、とても楽しそう。
そして、彼らの劇場への愛情が、よく伝わってくる。
一度は劇場を取り壊そうとするスポンサー、ギャラピア。
そのスパイになってしまったジャッキー。
しかし、その考えを改め、ギャラピアにNoを突き付けるシーンが痛快。


よく出来た、ピゴワルの息子、ジョジョ。
大好きな父親の為に、得意のアコーディオンで日銭を稼ぎ、
しかし、それを父には内緒にしている、心やさしい息子。
けれど、その行いがばれて、父親と離れ離れになってしまう。
定職に就き、息子を取り戻そうとするけれど、
夢破れて、酔っ払い、劇場の看板から落ちてしまうピゴワル。
そんなピゴワルの為にジョジョを取り戻した、ミルーとジャッキー。
友を人生の挫折から救おうとする二人の友情がうれしい。
そして、とても美しい親子の再会。
たとえ近所に迷惑になろうとも、
大声で歌いたくなる気持ちがよくわかる。伝わってくる。


劇場に仕事を求めてやってきたドゥース。
ギャラピアにも惚れられ、しかし、ミルーも彼女が好きになる。
より大きな成功を求めて劇場を後にするドゥース。
しかし、ラジオ男と出会い、母の過去を知り、
母の愛した劇場を身を呈して救おうとする。
母もまた、ラジオ男の事を別れた後でさえ好きであったことを知り、
ラジオ男も、引き籠りを止め劇場を救おうとする。
そして、ラジオ男の活躍で復興してゆく劇場。
なんとも、美味しい役だ。


すべてがうまく行っていたのに、そんな時にこそ、不幸は訪れる。
三角関係の縺れから殺されてしまうジャッキー。
義を重んじるが故にギャラピアが許せないミルー。
そんなミルーを救うため犯罪を犯してしまうピゴワル。
ピゴワルを庇う為に自首をしたミルーの友情が美しい。
けれど、禁固刑になってしまうピゴワル。


時代は変わり、政治の体制も変わってゆく。
しかし、民衆が娯楽を求める心は変わらない。
そして、彼らが劇場を愛する心も変わらない。
数年後に釈放され劇場を訪れるピゴワル。
息子が立派に自分の後を継いでくれている。
そして、劇場を守ってくれている。
きっとピゴワルは、深く静かに感激していたことだろう。

劇場を買い戻してハッピーエンドにする描き方もあっただろう。
けれど、訳あって劇場を離れ、
久しぶりに劇場を訪れるピゴワルが、この映画を締めくくるラストには似つかわしい。
それは、このシーンの為だけに、悲劇を描いてしまったと思いたくなるほどに。


沢山あった、辛いこと、苦しいこと、哀しいこと、しかし、幸せな事。
けれど、過ぎてしまえば、全ては美しい夢。
そんなノスタルジックな気分に浸らせてくれるラストシーン。
古き良き時代を描いた映画。

* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
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