2011.04.07.Thu / 22:24 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。






経済的に許されない恋愛。
そんな悲劇を描いた映画かもしれない。
しかし、それ以上に感じたことは、
人は、どのように自らの幸せを選んでいくか、
ということだ。
他人の犠牲に目を背けて自らの幸せを選ぶ生き方もあるだろう。
けれど、自らの良心に従い、愛する男性との別れを選んだ女性。
しかし、その選択が、最後には、彼女に、
穏やかな幸せをもたらしたのだろう。
そして、その辛い経験こそが、
彼女の小説をより深いものに昇華させたのだろう。

思慮深い自らの選択で人生の幸せを得た女性。
ジェーン・オースティンの、
小説におけるエッセンスが誕生するまでを描いた映画。

そして、ジェーン・オースティンという女性が、
とても身近に感じられる。
目の前に居れば、彼女と友達になりたくなるようにすら、感じられる。
そんな彼女の魅力が詰まった映画。




女性のユーモアは良いがウィットはいけない。
賢い女性は好まれない時代。
そんな時代に生まれてしまったジェーン・オースティン。
薄情で不真面目な放蕩息子を演じつつも、
プロの拳闘士にいたぶられる男を助ける。
実は貧しい実家の家族に仕送りを続ける男、トム・レフロイ

出会い方は最悪であった。
けれど文学を、人生を語り合えるのは相手だけ。
お互いに衝突しあいながらも、しかし、
徐々に魅かれて行く二人。

恋愛映画ならば定番的な展開であるものの、
上手に再現されている18世紀のイギリスの田舎の雰囲気や、
そしてなによりも、アン・ハサウェイの魅力的な表情が、
とても堪能できる前半。
特に、トムにキスをするシーンの表情の美しさには、
息を呑んでしまう。

しかし、トムの叔父に送られた二人を中傷した手紙が、
二人を別つ結果となってしまう。

別れてみて、二人が実感すること。
それは、離れ離れの人生では、生きる意味が無いということ。
駆け落ちを決意し、しかし、それを途中で諦めるオースティン。


映画の前半で扱われるテーマは、財産と愛情。
愛のある貧しい結婚と裕福だが愛の無い結婚とでは、
果たしてどちらが幸せになれるのか。
彼女たちの選択は、愛のある貧しい暮らしであった。
しかし、駆け落ちの途中で突きつけられたのは、
他人の不幸に目を背けて、
自分たちだけが幸せになれるかということ。
自分の家族ならば捨てることも出来たであろう。
しかし、より貧しく助けを求めているトムの家族は、
オースティンには捨てることが出来なかったのだろう。

表面的には悲劇的な別れを選んだ二人。
けれど、彼らには、他を犠牲にした幸せなど、
幸せとは感じなかったのではないだろうか。

映画のラストで訪れる、穏やかな幸せ。
想いは叶わなかったが、自分たちの良心に従った結果、
その幸せは得られたのだろう。
そして、彼女の選択と経験が、彼女の作品に深みを与えたのだろう。


思慮深い自らの選択で人生の幸せを得た女性。
ジェーン・オースティンの、
小説におけるエッセンスが誕生するまでを描いた映画。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
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