ダージリン急行  
2011.04.21.Thu / 22:23 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。






スピリチュアルな旅を共にしたからといって
相手を理解できるわけではない。
孔雀の羽を使ってお祈りをしたからと言って、
相手を理解できるはずもない。
沢山の協定を作っても、無駄なことなのだ。
そして、相手が身内であったとしても、
受け入れられないことには変わりない。

実は、相手を理解し受け入れることができるようになる方法とは、
相手を完全には理解できないということを認識すること。
相手は自分とは違う人間であることを認識すること。
そして、同じ経験をすること。
それらが基本なのだろう。
そして、世の中で一般的に考えられている方法は、
まったく通用しないということを知る必要もあるのだろう。

様々な実体の無い約束事に振り回され、
けんかをしてしまった兄弟。
けれど、最後には和解する。
彼らが兄弟だからではない。
同じ悲しみを経験した相手だからだろう。

相手を理解し癒すために必要な事。
他人と自分との係わり方を描いた映画。

そして、インドと列車の旅。
そんな不思議な雰囲気を堪能できる映画。





映画の冒頭。
急ぐタクシー。そして、
一人の男が列車に乗り込もうとする。
この男が主人公、と思いきや、
列車に乗り込んだのは、別な男。
そして、この男は乗りそびれる。
とても、雰囲気のいい、映画の始まり。
列車で旅をする三人の兄弟。
事故により顔が包帯まみれの男、フランシス。
長男だからだろうか、なんでも自分で仕切りたがる。
二男で、父親の形見を大切に持っているピーター。
妻のアリスとはうまくいっていないようだ。
三男で、作家の様であるジャック。
恋人と問題を抱えながらも、他の女性にアプローチする男。
とても奇妙な癖がある三人の男たち。

訳あって、しばらくは別々に暮らしていた三人。
フランシスが企画したインド旅行で再会をする。
多分、フランシスは仲直りをしたかったのだろう。
スピリチュアルな旅行も、様々な協定も、インドにある寺院訪問も、
すべては、仲直りの為に提案し企画されたように思える。
しかし、それらはすべて空回り。
挙句の果ては大喧嘩を起こし、乗車拒否されてしまう三人。

三人が巡りあってしまった少年の死。
そして思い出される悲しい記憶。
父親の死を前にして取り乱してしまった三人。
そんな記憶が蘇ってくる。

本当の旅の目的は、実は母親に会うこと。
その目的は確かに達せられた。
しかし、真の目的は、母親から答えをもらうこと。
なぜ、俺たちを捨てたのか、それは言いかえれば、
俺たちは愛されているのか?
しかし、回答を貰えぬままに母親は、またも失踪する。
けれど、兄弟にとっては、母親の失踪は、
想定の範囲内であったのだろう。

最後には、揃いのロゴが入ったスーツケースを捨てる三人。
自分たちが家族であるということを示すような、おそろいのカバン。
しかし、そんなものがなくても、
相手を受け入れられることを悟ったからなのだろう。


完璧に相手を理解できたわけでもなく、
相手の全てを受け入れるほどに心は広くはない。
けれど、同じ悲しみと痛みを経験した三人。
兄弟という関係や、
寺院での祈りだけでは理解も出来なければ、
相手を受け入れることも出来なかった。
けれど、最後の三人は、和解できたのだろう。


相手を理解し癒すために必要な事。
他人と自分との係わり方を描いた映画。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
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