武士道シックスティーン  
2011.05.05.Thu / 19:27 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。






武士道とは、
単に勝ちを求める道ではないのだろう。
相手を負かす強さを求める道でもないのだろう。
強敵とめぐり合い、お互いの剣を理解し、尊敬し、
そのような相手に勝とうと自らを鍛える。
それは技術的にも、精神的にも。

全く正反対の性格を持つ二人の少女。
しかし、共に剣道を愛する女の子。
剣道にてスランプに陥るも、
お互いを認め、しかし、競い合うことで、
そのスランプを乗り越える。
そして剣道の楽しさを思い出す。
自らの中に剣道への愛情を見つけ出す、再発見する。

そんな二人の友情にも似た交流が眩しい映画。



器用ではないけれど役にハマると、
圧倒的な存在感を示す成海璃子さん。
しかも、今回はコメディもキチンとこなしている。

つかみどころがない女の子をやらせれば、
キラキラと輝く、北乃きいさん。
しかも内面に抱える悩みも、上手に演じている

そんな二人が魅力的な映画。
幼い頃から剣道一筋。
真っ直ぐに強さを、勝つことのみを求めてきた、磯山。

楽しむ事が大好き。
けれど、負けることを極端に嫌う、西荻。

西荻に負けた磯山は、
なぜ、自分が負けたのかを知りたかったのだろう。
自身に慢心があったわけではない。
けれど、自分よりも強い人がいるとも思いたくはない。
転校をして、同じ高校、同じ剣道部に入り、対戦するも、
しかし、負けた理由が分からない。

現代に生きる侍のように厳しく自分を鍛える磯山と、
普通の女の子のように日常を楽しむ西荻。
二人の交流がコミカルで、見ていて、とても楽しい。

インターハイの試合にて、磯山の代わりに強敵と対戦した西荻。
実力的には負けて当然の相手。
しかし、西荻は自らの剣道で勝利する。
その勝利を導いたのは、磯山。

妥協せず、いろいろな事を犠牲にして、真剣に自分を鍛えてきた。
しかし、自分よりも強い相手が存在する。
しかも、自分よりも真剣でなく、努力もしていないのに。
今までの自分の努力はいったい何だったのだろう。
いままでの自分の全てを否定されたようで、心を折られてしまう磯山。

勝たなければならない。
今までは無心で試合に臨んでいた。
だから無欲で正面打ちを打ち込むことができた。
けれど、勝ちたい、勝たなければならないという重圧。
磯山の厳しい道を理解し始めた西荻。

衝突し合った、そして、様々なことが頭をよぎる二人。

なぜ、自分が剣の道を歩んだのか。
そして、西荻と剣を交えた時の喜び、楽しみ。
そんなことを思い出した、磯山。

巌流島のごとく、対決をする二人。
そして、お互いの強さを再確認し、それを喜び合う。
倒す、倒されるの関係ではない。
それは、強い相手に思いっきり、ぶつかることができる喜び。
そんなぶつかり合いの中で、お互いの悩みが昇華されてゆく。
そして、戦いの中で、自身の強さを自覚していく西荻。

母親と父親が元のさやに戻る。
それによって引っ越さなければならなくなった。
しかし、
「かんけえね、剣道やってれば、また会える。」
それは、二人の心が通じ合った瞬間だったのだろう。

剣道を愛し、ライバルと、共に競い、共に戦い、共に歩む喜び。
自らの中に剣道への愛情を再発見した二人。
そんな二人の友情にも似た交流が眩しい映画。


* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
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COMMENT TO THIS ENTRY
- from タケヤン -

ヤンさん、こんばんは。

いやぁ、やっとこさ復活しました(汗)
外付けハードディスクがイカれちゃって、真っ青になりました(泣)
業者に頼んで、データを取り出して別の外付けハードディスクに
入れてもらいましたが、それにしても痛い出費だなぁ!(大泣)

さて、「武士道シックスティーン」ですよ。
あの爽やかなラストが共感を呼びますよね。
 - 剣道やってれば、また会える -
この感覚、この感性が実によろしいです(笑)
これがスポーツのいいところでもありますよね。
しかし、アレですね、主演の2人が璃子ちゃんときいちゃんで
本当によかったです。
「書道ガールズ~」もご覧になってますが、これも璃子ちゃんが
良かったのですね? (残念ながら俺は未見ですが・・・)
璃子ちゃんは、成長していく少女を演じるといい味出しますよね。

「インビクタス/負けざる者たち」の評価が良いようですが、
俺は基本的にひねくれ者なので(笑)、イーストウッド監督作品に
しては、真っ当すぎてピンとこなかったです(汗)
肝心のラグビーの試合もドロップゴールばかりで、
“ラグビーならトライを奪えよっ!"と、心の中で叫びながら
観てましたが・・・(笑)

「トゥルー・グリット」は、ヤンさんなら絶対ハマるだろうと
確信してました(笑)
なんたって、主役の子が美少女ですもん!!(爆)
彼女の凛とした佇まいは、並みの女優ではなかなか出せません。
これからの活躍が期待できそうです。

で、ヤンさんが7つ★を付けた「ソラニン」。
公開時はあんまし興味が湧かなかったんだけど、ヤンさんの
感想を読んでみると、観てみたくなるから不思議です。
確かに、宮崎あおいちゃんが出ると違いますよね。
その映画の格を上げるというか・・・。
なんか、出てきただけでスクリーンが締まって見えた、
故・原田芳雄さんのような存在になりつつありますよね。
まだ若いのに大したもんです。

では・・・。

2011.10.01.Sat / 22:41 / [ EDIT ] / PAGE TOP△
- from ヤン -

おお、タケヤンさん。お久しぶりです。
ご無事でしたか!
結構心配しちゃいましたが、HDの故障でしたか。
しかも業者に依頼!? それは散財でしたね。
私も似たようなことがありましたが泣く泣く諦めました。
それでも、何とか復帰できたのはよかったですよ。

武士道シックスティーンは、悩める乙女たちが、
けれど、爽快に描かれていました。
しかも璃子さんがコメディもこなしていて、それがとても面白い!!
たしか、いきなり璃子さんの奇声から始まったと記憶しています。
いきなりツボでした。
やはり監督が変わると引き出されるものが違うというか、
彼女の彼女の新しい魅力を見せてもらった気がします。
きいちゃんも、すごく自然で素敵な女の子でした。

書道ガールズ~は、結構ベタで、ものすごくストレート。
この映画でも、璃子さんは悩める天才少女を演じてました。
眉間にしわを寄せるような役がハマリ役かも知れません(笑)。

インビクタスは、確かに決勝ではトライのシーン、ありませんでしたね。
結構史実にそって作成された作品のようです。
その意味では、
イーストウッドが監督しなくても似たような作品になったかも知れません。
でもね、モーガンフリーマンがとにかく素晴らしかったです。
彼意外には考えられませんです。

「トゥルー・グリット」のヘイリーちゃん、確かに聡明で美しい!!
可愛いというよりは、美しいという言葉が似合う、たたずまいでした。
だから、前半は、彼女に協力しない男どもが、
ちょっと情けなくも、歯がゆくい感じがしたんですが、
やる時はやってくれるじゃありませんか。これぞ、荒野の男。
でも、ヘイリーちゃんが一番。

宮崎あおいさんは、NHK大河ドラマ主演以前では、
なんか作品選んでいないといいうか、いろんな作品に
出まくって、それでも彼女以外が出たらダメになっただろうな、
と個人的には思えるような作品に仕上がっているのが
すごいと感じてました。
それでも、原田さんの域にまでは達していないのでしょうが、
将来は(今も)楽しみな女優さんです。

ソラニンは、ちょっと宣伝の仕方が悪かったと感じてます。
あれじゃ、誤解してしまうのではないか、と。
ですから、見る機会があれば、先入観抜きでご覧ください。
ちょっと、これも結構ベタでストレートかも、、、

最近、ベタでストレートな作品に弱くなったヤンでした。

それじゃ、また。

2011.10.02.Sun / 20:34 / [ EDIT ] / PAGE TOP△

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