ワンダフルライフ  
2011.05.19.Thu / 19:46 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。




自分の人生を肯定する
自分の生き方を愛する


人生で一番印象的な場面を選ぶ。
それは、とても挑戦的な命題のように思われる。
はたして、自分ならば、どんな場面を選ぶだろうか?
そんな場面を選ぶことができるのだろうか?
今までの自分の人生に、そんな場面が、はたして存在しているのだろうか?

そんな場面を選ぶことができる人は、きっと、幸せな人なのだろう。
なぜなら、その人は自分の人生で、なにが一番大切なのかを、
見つけることが出来たからだ。

人生で一番印象的な場面を選ぶことができなかった男。
しかし、彼も最後には救われる。
死後において、係わってきた人々。
その意味を発見し、自らの幸せにすることができたから。

今は選べないのかもしれない。
それは人生を終えてはいないから。
だから、人生は手遅れではないのかもしれない。
誰しもが、人生の宝物を最後には持つことができるのかもしれない。
そんな気持ちにさせてくれる、とても、やさしい映画。





死んだ人間は、天国に入る前に、与えられた3日間で、
生前の思い出の中から一番印象深かったものを選ばなければならない。
これは、あくまで仮想の話ではあろうが、
しかし、この命題を突きつけられた時、
果たして何人の人が、躊躇なく、自分の人生から、
そんな場面を選ぶことができるだろうか?
選択のためには、自分の人生を振り返らなければならない。
そして、考える。何を欲して、何を得て、何を成し、何を残したのか?
人生の意味を見つけ出し、そして、それを肯定しなければならない。
そんな自信に溢れた生き方を、いままで自分たちはしてきたのだろうか?

きっと、一番印象的な場面とは、
その人の生き方や人生が一瞬に集約した場面であろうし、
選んだ場面の一瞬が、その人の生き方や人生を象徴している一瞬であろう。
果たして、自身の人生に、そのような一瞬が存在しているのだろうか?



人生で一番印象的な場面を選べなかった人々。
そんな人々は、この場所に留まり、
自分が人生で一番印象的な場面を選べるようになるまで、
他の人の選択をサポートする役目を担当することになる。

そんな役を担当している、望月さんと、彼の助手である、里中さん。
ともに自身の人生が不完全で終わってしまったと思い、
人生で一番印象的な場面を選べなかった人。


スタッフが皆で作り上げる、思い出の場面。
それは、あたかも映画製作を象徴しているかのようなシーン。
古今東西の名画と呼ばれる存在とは別に、
個人の中にも、それぞれの名画というものは存在する。
他人から見ればつまらない映画かもしれない。
けれど、その人にとっては、まさに名画なのだ。
そして、そんな個人にとっての名画とは、
きっと、自身の人生に密接に関係する、このような映画の事なのだろう。


この映画に出てくる人生を語る人々は、
プロの俳優さんもいるが、中に素人の方も混じっている。
そんな人が語る、本物の人生は、
セリフだけなのに、とても味わい深い。


他人の人生に関わってこなかったと自身の人生を振り返る、望月さん。
けれど、運命の出会いなのだろうか?
死に別れた恋人の夫に出会うことができた。
そして、自分も彼らの人生に深く係わって生きてきたことを知る。
生前の人生からではなく、死後の人生から思い出の場面を選択する。
それはきっと、望月さんが、死んでからの長い時間を掛けて、
自身の人生を完成させたということなのだ。
多くの人々との出会いと別れを経て。
そして、同じ役割を持った仲間たちに見守られながら。

傷つきたくないから他人の人生に係わって来なかったと、
自身の人生を嘆く望月さん。けれど、
「なんで、そんなふうに決めちゃうのかな?」
きっと、このセリフは言った本人である里中さんにも当てはまるのだろう。
だから、いつの日か里中さんにも旅立てる日がくるだろう。


人生で一番印象的な場面を選ぶ。
それはとても難しい。
なぜなら、自分たちの人生は、まだ完結していないから。
完結した、その日には、きっと選ぶことができるかもしれない。
うまく完結できなくとも、猶予はあるのかもしれない。
そして、未完結な人生の中にでさえ、
完結させる為の種は存在しているのかもしれない。
だから、人生は手遅れではない。
誰しもが、人生の宝物を最後には持つことができるだろう。
そんな気持ちにさせてくれる、とても、やさしい映画。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
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