戦場でワルツを  
2011.05.26.Thu / 20:07 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。






戦場で行われた惨殺。
信じていたものに裏切られた時、
自己防衛本能により、記憶を封印した男。
それでも、思い出さなければならない。
同じ過ちを繰り返さない為に。

記憶を無くした男がたどり着いた真実。
戦争というものには、
もともと正義など、ありはしない。
指示を出した者、実行をした者、加担した者、見過ごした者、
彼らは、すべて悪なのだ。
そして、正義の為の戦争というのもありえない。

無くした記憶とは、
崇高だと信じていたものが崩れ去った瞬間だったのだろう。

説明不足もあって、
分かりにくい印象を与える映画ではあるが
戦争の、そして、戦場の真実を描いた映画。




戦争の悪夢に悩まされる男の相談を受け、
しかし、自分にはサブラー・シャティーラ虐殺事件に立ち会ったはずなのに、
その時の記憶がとても曖昧だ。
失われた記憶を求めて、かつての戦友を訪ねる主人公。
そこで、戦友たちが語る様々な戦場の真実。
戦争を遂行するために、行われる残虐な行為。
そんな行為が、兵士たちの精神を蝕んでゆく。
日常と戦場での、あまりに大きな差異が、
心の均衡を壊していく。

結局、主人公が心に留めていた記憶と、戦友の記憶との差異は、
虐殺の現場にいた主人公が受けた衝撃の大きさによる、
記憶の混乱であることが分かった。
この落ちは、多分、多くの人にとっては、説明不足なのだろうと思う。

兵士たちが、かろうじて信じていたのは、
これは祖国を築き守り抜くという正義の戦争であるということなのだろう。
けれど、自分たちがしてきたことは?
うすうす感づいていたのではあろうが、
難民の大量虐殺に否応なしに加担させられた。
そして、兵士たちが信じてきたものは、ここに完全に裏切られたのだろう。

けれど、本当の真実とは、戦争には正義は無い。
だから、もともと、信じていたものは、
本当は存在はしなかったのではないのだろうか?

今まで崇高だと信じてたと信じていた兵士たち。
しかし、彼らは裏切られる。
戦争の、そして、戦場の真実を描いた映画。


* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
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2009年度の第81回アカデミー賞外国語映画賞部門で、『おくりびと』と受賞を争ったアニメーション映画『戦場でワルツを』。 一兵卒として戦争に参加していた男の、個人的な記憶をたどるドキュメンタリーです。 戦争という体験が、いかに人間の心に大きな痕跡を残すのか...
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