JUNO/ジュノ  
2011.06.12.Sun / 12:20 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。






突然の妊娠に、
産んで里子に出すことを決めた少女。
十分、自分の考えで、大人の判断で、
対応できたと思っていたのだろう。
けれど、やはり、彼女は子供。
大人でもなければ、大切なものも見えてはいなかった。
大人の愛情とは、
愛する対象の為に、どこまで自分を犠牲に出来るのか。
大切な対象を、どこまで素直に受け入れる事が出来るのか。
そんな事に掛かっているのだろう。

論理的に里子に出すことを決めた。
それがベストの選択だと思っていた。
けれど、最後には理解できた。
これは本当に正しい行為。
まだ、自分には子供を育てる力はない。
なぜなら、自分は、まだ、子供だから。

順序は逆だったのかもしれない。けれど、
いろいろな事を理解し、
大人への一歩を踏み出した少女を描いた映画。



ジュノは、16歳の少女。
他人に捕らわれることが無く、
自身の考えで行動できる、女の子。
思いがけない妊娠。
一旦は堕ろそうと思った。けれど、
「赤ちゃんにはもうツメもあるのよ」
その言葉に、出産して里子に出すことを決めたジョノ。
簡単に決めたようでいて、けれど、
確たる自身の気持ちに従った決意なのだろう。
好奇の目でジョノを見る人々。けれど、
その決定に、後悔もしない。恥とも思わない。
なぜなら自分で正しいと思い決めた事だから。

自身の行動に対して、自分の考えで責任を取った。
自分では、自分のことを、十分クールな大人だと思っていた。
けれど、徐々に分かってくる、大人であるという事。

10代の母親は育児には劣悪な環境。
一般論としては正しいのかもしれない。
けれど、それを敢然と否定した義母。
親バカなのかもしれないが、
それは、子供を庇いたいという母親の愛情なのだろう。
そして、犬を飼いたいのにジュノの為に飼わない。
それも愛情の故なのだろう。

里親になる、マークの所に入り浸るジョノ。
その結果が、どのようなことに成るか知らずに。
ジョノがちょっかいを出しても出さなくても、
いずれは、あのような結果には成っていただろう。
けれど、大人の分別ある行動とは思えない。
最後には、ジュノは、それを理解したのだろう。

ショッピングモールでジュノは偶然、
里親になるヴァネッサを見かける。
子供が心底好きなのだろう。
果たして、自分は、あのように子供という他者に対して、
愛情を注げるのだろうか?

赤ん坊の父親であるポーリーに、
今回の妊娠の件では、ジョノは何も責めない。何も要求しない。
なぜなら、すべては自分で決めた行動だから。
けれど、本当はポーリーは少しは自分を頼って欲しいと、
思っていたようだし、
ジュノも時にポーリーに頼りたいと思っていたのではないのだろうか?
けれど、自分の生き方を貫くために、
ジュノはポーリーにそっけなくしてしまった。
生き方を貫くのは確かに正しい。
けれど、時として曲げてもいいのではないのだろうか?

最初は頭で考えた。
自分の赤ちゃんをヴァネッサに里子に出すことを。
けれど、今なら心から理解できるのだろう。
この方法が一番いいことを。
それでも、自身のお腹の中にいた存在と別れるのは、辛い。寂しい。悲しい。
だから、会わない。けれど、涙が止まらない。
そんなジュノに寄り添うポーリーが、とても素敵に見える。

このような話の展開ならば、
子供を自分たちで育てるか、堕胎して別れるかが、
お決まりのパターンかもしれない。
けれど、取った行動の順序は逆だったのかもしれないが、
最後にはお互いの中に大切なものを見つけたポーリーとジョノ。
赤ちゃんとの別れという悲しい現実。世間からの好奇の目。
それらが二人を苦しめる日が来るのかもしれない。
けれど、二人は堂々と胸を張って生きることだろう。
そして、二人の絆は、その苦しみをも乗り越えることだろう。

いろいろな事を理解し、
大人への一歩を踏み出した少女を描いた映画。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
No.890 / タイトル さ行 /  comments(2)  /  trackbacks(1) /  PAGE TOP△ 拍手する
COMMENT TO THIS ENTRY
- from YAN -

こんにちは!
自分の赤ちゃんをヴァネッサに里子に出す事、
それはジュノにとっては最善の方法だったとは思うし、
こういうやり方があるという提示として、良かったと思うけど、
「本当に正しい行為」だったかどうかはちょっと疑問です(^_^;

自分がこの世に産み出した命、
自分の血が流れ、何十年とこの世に生きていく命、
それを今 自分が子供で育てられないから
とても子供好きな良い人に育ててもらう。
責任は全て里親に移るのか・・・
先の事は先でまた悩めばいいのかもしれませんが。

子供って産んでお終いじゃないのに、
お終いのように描かれているのが、
どうもスッキリしませんでした。
赤ちゃんと別れてから、ジュノにとってポーリーが
大切な人と言う、2人の絆の物語にすぐに転換した所に、
なんか違和感が残ったんですよね・・・

2011.06.13.Mon / 16:45 / [ EDIT ] / PAGE TOP△
- from ヤン -

YANさん、こんばんわ。

人それぞれで感じ方が違うのが面白いですね。
あと、何が本当に正しいのかも、
なかなかに分からないものかもしれません。

せっかく授かった命を堕ろしたり、
自分の両親をも巻き込んで、無理に自分で育てる方法よりも、
ベターな選択なのかな、と私には思えました。

また、たとえば、ジュノが転校をしたり、
彼氏と別れて別な男を選んだりして、
人生をリセットしたりしたら、
私もYANさんと同じような感想を持ったかもしれません。
この二人は、
中途半端にしか事情を理解していないであろう世間の好奇な目にさらされても、
自分の生き方を変えないであろうと思えます。
確かに生んで、里子に出して、別れておしまいといった雰囲気はありますが、
ある意味での、人生の失敗であった経験にキチンを向き合い、それを生かして、
今後の人生を生きていくんだなあと感じたしだいです。

それじゃ、また。

2011.06.16.Thu / 00:04 / [ EDIT ] / PAGE TOP△

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