2011.06.23.Thu / 18:50
「ネタバレ」あり。ご注意願います。
一人なら怖い
けれど
二人ならば
恐いものは何もない
死期を悟った男、二人。
最後の望みは、海を見ること。
彼らは、もう、なにも怖くはない。
それは、失うものが、もう何もないから。
けれど、怖くないのは、それだけが理由ではないだろう。
心を同じくした友にめぐり合えたから。
今という時を大切にしようと心に決めたから。
だから、なにも怖くはないのだろう。
最後に訪れる静かな時間。
やり残したことはたくさんあったかもしれない。
けれど、彼は安心と満足をも感じていたのではないのだろうか?
新鮮で、生き生きとしていて、
時にバカバカしく、不真面目でいて、
けれど、とても切ない。そして心地よい。
ありがちなテーマなのかもしれないが、
斬新なスタイルで生と死を描いた映画。
全く正反対の男、マーチンとルディ。
映画の冒頭では、会話もなく、お互いを敵視さえしている。
けれど、境遇が同じだということで、すぐに打ち解けてゆく。
天国ではみんなが海の話をしている。
だから死ぬ前に海が見たい。
きっかけは単純だった。
でも本音は、ここで、このまま死ぬのが怖かったからだろう。
そして、繰り広げられる珍道中。
お金が無いから強盗をする。
それは確かに悪い事だ。そんな事は分かっている。
だから、羽目は外さない。最低限の迷惑しかかけない。
彼らがその事を分かっているからこそ、
見ているこちらも、なんだか許してしまう。
そんな、とても緩い犯罪と逃避行。
大量の銃弾、多くの車両事故。
けれど、死人が出ないのが見ていてとても気持ち良い。
死ぬまでに叶えたい彼らの夢。
一つはしんみりとさせられるが、もう片方はバカバカしくもある。
けれど、死を間際にカッコも付けてはいられない。
最後にギャングに捕まってしまった二人。
「金のありかを吐けば、命だけは助けてやる。」
そのセリフには、思わず噴き出してしまった。
そして、死を覚悟した二人が、
お互いの顔を見つめ、握り合う手が切なくもカッコいい。
ボスを演じるルトガー・ハウアーの圧倒的な存在感。
「早くしないと間に合わないぞ。」
とは、本当においしい役だ。
そして、彼の代表作の一つを彷彿とさせる、ラストシーン。
死の間際でなければ、性格も違った相手に、
こんなにも親しみを感じなかっただろう。
お互いへの利害関係、些細な感情の行き違い、もつれ。
そんな事が邪魔するからだ。
けれど、人は誰しも死に向かって生きているという事実を知れば、
そんな事は、くだらなくも小さなことに変わってしまう。
そして、その事実を自覚すれば、
今を大切に生きたいと願えるはずなのだ。
それは、彼ら二人が特別な境遇だからではない。
我々も、きっと同じなのだろう。
そんな説教めいた話がテーマなのかもしれないが、
説教臭さは微塵も感じられない。
ありがちなテーマなのかもしれないが、
斬新なスタイルで生と死を描いた映画。
お金が無いから強盗をする。
それは確かに悪い事だ。そんな事は分かっている。
だから、羽目は外さない。最低限の迷惑しかかけない。
彼らがその事を分かっているからこそ、
見ているこちらも、なんだか許してしまう。
そんな、とても緩い犯罪と逃避行。
大量の銃弾、多くの車両事故。
けれど、死人が出ないのが見ていてとても気持ち良い。
死ぬまでに叶えたい彼らの夢。
一つはしんみりとさせられるが、もう片方はバカバカしくもある。
けれど、死を間際にカッコも付けてはいられない。
最後にギャングに捕まってしまった二人。
「金のありかを吐けば、命だけは助けてやる。」
そのセリフには、思わず噴き出してしまった。
そして、死を覚悟した二人が、
お互いの顔を見つめ、握り合う手が切なくもカッコいい。
ボスを演じるルトガー・ハウアーの圧倒的な存在感。
「早くしないと間に合わないぞ。」
とは、本当においしい役だ。
そして、彼の代表作の一つを彷彿とさせる、ラストシーン。
死の間際でなければ、性格も違った相手に、
こんなにも親しみを感じなかっただろう。
お互いへの利害関係、些細な感情の行き違い、もつれ。
そんな事が邪魔するからだ。
けれど、人は誰しも死に向かって生きているという事実を知れば、
そんな事は、くだらなくも小さなことに変わってしまう。
そして、その事実を自覚すれば、
今を大切に生きたいと願えるはずなのだ。
それは、彼ら二人が特別な境遇だからではない。
我々も、きっと同じなのだろう。
そんな説教めいた話がテーマなのかもしれないが、
説教臭さは微塵も感じられない。
ありがちなテーマなのかもしれないが、
斬新なスタイルで生と死を描いた映画。