トゥルー・グリット  
2011.07.07.Thu / 15:14 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。






トゥルー・グリット。本物の気概。
父の仇を討つために、荒野に旅立つ。
相手の力を恐れず、自身の信念を堂々と主張する。
自らの覚悟を示すため、馬で川に飛び込む。

そんな少女が魅せた気概に対して、
男たちも自身の気概で応える。

4人の男を敵にまわし戦いを挑む。
350メートル遠方の敵を撃ち落とす。
そして、少女の命を助けるため、夜の道をひた走る。

それらを、劇的に描くわけではなく、
出来事を淡々と描いているコーエン兄弟。
だからこそ、彼らの気概も引き立つように感じられる。

そんな本物の気概にあふれた映画。





父親を殺された、14歳の少女、マティー。
感情で動くよりは論理的な思考で行動する、
そんな若さゆえの純粋さを持った少女だ。
敵を討ちたい。けれど、その想いは、
父を殺された恨みよりも、不正は正さなければ成らない、という、
彼女の潔癖な正義感と論理的な思考からきているような印象を持つ。
けれど、心の底には、恨みも隠されてはいるのだろう。
マティが雇った保安官、ルースター。
飲んだくれてはいるが、
いざとなった時には役に立ってくれそうな男。

口数が多く子供といえども容赦ない男。ラビーフ。
しかし、彼もいざという時には、力を発揮してくれそうな男。

過酷な追跡に同行するマティー。
最初は足手まといになるかと考えていた男たち。
しかし、マティーは、二人に自らの決意を行動で示す。
そして、徐々にマティーを認めるルースターとラビーフ。
逆に、マティーも、この旅が予想以上に過酷なものであることを、
身を持って知ったのだろう。

父の敵が追跡不可能と成ってしまったことを知ったルースター。
追跡を諦めることを宣言してしまう。
諦めきれないマティーだが、こればかりはどうしようもない。
しかし、運命の悪戯なのだろうか。
父の敵が目の前に現れる。
マティーの執念が奇跡を呼んだのだろう。
こんな展開を、
果たして男たちはどのような気持ちで受け止めたのだろうか?
簡単に諦めた自らを恥じたのだろうか?
仲間と認めたマティーの身を心底、案じたのか?
そして、そんな想いを行動に移す、二人。

結果として、父の敵を撃つ事はできた。
けれど、多くの者が死に、マティーも右腕を失う。
復讐には犠牲はつきものなのだ。
それは、厳しくも残酷な現実。

けれど、そのような厳しい現実を描いているからこそ、
彼らの気概も輝いて見えてくる。
そんな本物の気概にあふれた映画。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
No.898 / タイトル た行 /  comments(2)  /  trackbacks(2) /  PAGE TOP△ 拍手する
COMMENT TO THIS ENTRY
- from YAN -

ヤンさん、こんにちは!
ヤンさんには3人の気概が輝いて見えたんですね~

私には、ラビーフはビジネスっぽい印象でサエなかったです。
マティは負けん気が強くて、一番気概を感じました。

ルースターは4人を相手にしたシーンと少女を抱えて
走るシーンでは輝いていたけど、それ以外はどうも・・・?
彼の緩急は良かったですね。

全体的に淡々としていて、残念ながら輝きは感じられなかったなあ(^^;
好みの問題でしょうね~

2011.10.11.Tue / 15:39 / [ EDIT ] / PAGE TOP△
- from ヤン -

YANさん、こんばんわ。

ラビーフには確か、遠くの敵を一発で仕留めるという、
唯一の見せ場があった気がします。
その時だけは、「おお、やるじゃないか」と感じました。

マティは、もう最初から最後まで全開でしたね。

通常の西部劇ですと、4人を相手にしても、
味方は平気で戦いに挑み、勝つのが常なのですが、
いつもは文句ばかりで無理をしないルースターが、
挑んでゆく姿は、かっこよく見えました。
このシーンだけでしたが。

まあ、地味で淡々とした展開の中での、一瞬だけの輝き、
というものでしょうか、私が見た輝きというのは。

それじゃ、また。

2011.10.11.Tue / 23:26 / [ EDIT ] / PAGE TOP△

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