いばらの王 King of Thorn  
2011.09.02.Fri / 14:39 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。






原作は未読です。



悲劇を拒絶する人の心の凄まじさ。
夢だったら良かったのにという激しい後悔。
その圧倒的な負のパワー。

けれど、現実を拒否し続けることはできない。
悲劇に目を背け、いつまでも眠っていてはいけないのだ。

失ってしまったという激しい痛みと後悔が人類を進化させる。
けれど、悲劇を直視する勇気が、進化を完成させる。

そんな事を言いたかった映画かもしれない。
けれど、ストーリーや人物の心理変化が、
微妙にテーマとかみ合っていない。

もしかしたら、
ストーリーのどんでん返しを楽しむ映画かもしれない。
私は正直、このどんでん返しは、
あまり楽しめませんでしたが、、、

ちょっと微妙な映画。




メデューサという、致死率100%の奇病。
未来に治療方法の発見を託してのコールドスリープ。
メデューサに感染してしまったカスミとシズクの姉妹。
けれど、コールドスリープに選ばれたのはカスミだけ。
シズクとの再会を強く約束して、眠りに就くカスミ。
けれど、目覚めた世界は、見知らぬ、茨のツタが生い茂る世界であった。
映画の前半は、とても面白かった。
いわゆる、サバイバル系の映画に様々な謎。
世界は今一体どうなっているのか?
彼らは何年寝ていたのか?
そして、メデューサはどうなったのか?

しかし、
「そんな、急に映画みたいなこと言わないで。」
偶然かもしれないが、このセリフを境に、
サバイバル系の映画は幕を閉じる。
突然登場した社長による事件背景の説明。
そして、二転三転するストーリー。


確かにこの二転三転するストーリーには驚かされた。
しかもオチは、全ての辻褄が合っていそうに見える。
というか、なんでもありのオチなので、どんなこともでも説明は可能なのだろう。
けれど、ストーリーから想像できないオチを見せられても、
なんだかピンとこない印象をもってしまった。
だから、オチを見せられても、そうだったのか、という納得は少ない。


最初の適合者たるアリスと社長であるヴェガとの偏執的とも思える愛情。
研究者と被研者と言う関係を超えて、そして、
神の声を聞きたいという願い以上に、
ヴェガのアリスに対する愛情は深いもののように感じられる。
もしかしたら、ヴェガはアリスによって作られたオルタナティブ?
だからメデューサに感染しない?
ヴェガが望んだのは第二適合者によるアリスの再生?

最後に真相を知った、カスミ。
それによりシズクの意識は暴走し崩壊してしまったのだろう。
(だから、実体化した茨は全て石化してしまったのだろうか?)
カスミのシズクを助けたいという想いが、
夢を見続けたいと願ったシズクの想いを超えたのだろう。


茨の城で眠り続けてたのはシズクであった。
けれど、この役は、実はカスミの方が、
それまでの性格描写や、
自らのトラウマを乗り越えるという意味においても、
適切だった気がする。
真実を知ったカスミのオルタナティブが、
それでもカスミを目覚めさせようとする、みたいな感じで。

もしくは、
カスミからは完璧に見えたシズクではあるが、
シズクにもシズクなりの悩みがあり、
似たようなトラウマや不安、カスミに対する嫉妬があったとか、、、
そのあたりを強調させれば、テーマ的に面白かった気がする。


時間的な制約や原作の縛りがある(?)とはいえ、
テーマ的には、テーマを実感できるストーリーではなく、
二転三転しても、爽快感や納得感が少ない。

前半が面白かっただけに、とても残念な映画。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
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