SPACE BATTLESHIP ヤマト  
2011.12.08.Thu / 20:31 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。






言わずと知れたSFアニメーションの実写化。
このように偉大なオリジナルや原作が存在する場合、
その作品を(再)映像化する場合、
その方法としては、3つあると思われる。

1.設定だけを真似て別な作品を創る。
2.その作品の良いと制作サイドが思っているエッセンスを選んで表現する。
3.まったく同じに創る。

この映画の場合、時間の関係上3では作れない。
ところどころに、オリジナルの名セリフを使用していたので、
最初は2の方法を選んだようにも感じたが、
見終わった後は1の方法で作成された映画であると感じた。

人々の上に立ち、人々を導かなければならない立場に立つ人の辛さ。
しかし、その想いが理解された時の幸せな一体感。
そして、世界は、そんな人々の犠牲の上に成り立っているという事実。
そんなことを表現したかった映画のように感じた。

けれど、オリジナルの名場面、名シーンを中途半端に使った結果、
批判も多い映画。

されど、あのアニメーションを実写化できただけでも
素晴らしいと思わせる映画。






滅亡まであと一年。
そんな地球を救うためにイスカンダルに旅立つヤマト。
しかし、放射能除去装置は、沖田が捏造したメッセージ。

人の上に立つということ。
その辛さは、その立場に立った人でなければ理解はできない。
ある時は使命の為、全体の為に、少数を切り捨てなければならない。
そして、部下に犠牲を強いる命令を出さなければならない。
しかし、そんな辛さだけではない。
目の前に提示された、わずかな可能性。
それを信じて決断し、部下に無理を強いなければならない。
未来に絶対の保証など、存在はしない。
それでも道を決めなければならない、重圧。
そして部下に、人々に示さなければならない、未来の希望を。
それは実は今の世界においても同じことなのだろう。

しかし、そんな辛さを部下たちが理解し、
その想いを命を掛けて、全力で成し遂げようとした時、
奇跡は起こるのだろう。
それはとても幸せな一体感。

救われた地球、取り戻すことができた緑。
それは幾多の犠牲の上に成り立っている。
今の豊かな日本も同様だ。
未来がどのようなものになるのか、誰にもわからなかった。
何が正しいのかも、保証は無い。
けれど、過去に生きた多くの人々は可能性を信じ、決断し、行動を起こした。
その結果が、今の豊かさなのだ。
だから我々は、その豊かさを大切にしなければならないのあろう。



この映画には、オリジナルの多くの名場面、名台詞が引用されている。
しかし、残念な事に、表面をなぞった印象がぬぐえない。
だから、この映画に対する批判も大きいのだろう。

「これは?」
「そうだ、ヤマトだ。」
この台詞は、スクラップとして眠る大和を見た古代の、
「これが本当に人類最後の希望なのか?」
というオリジナルの台詞がなければ、生きてこない。

「俺はおまえを弟のように思っていた。」
の台詞も、”浮かぶ要塞島!!たった二人の決死隊!!”の逸話がなければ、
まったく生きてこない。

古代の設定変更もさることながら、
どことなくお茶目に感じてしまった沖田艦長には、
違和感を覚えるものの、しかし、別物と思えば、それも面白い。



しかし、あの作品を、よく実写化したと思う。
発進シーンやイスカンダル突入シーンは、よくできていると感じる。
まあ、作品自体のできは賛否両論あるのかもしれないが、
きっと製作者サイドも、作品として完成できるかどうかわからない、
わずかながらの可能性を本物の実写に変えたという点で、
その想いは、この映画に似ているのかもしれない。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
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