すみれの花咲く頃  
2011.12.15.Thu / 20:50 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。






自身の夢を実現するためには、
寂れる故郷や自分を頼る人を、
捨てなければならないのか?

自身の夢を叶えたかった少女。
その為に血のにじむような努力を続ける。
もっと練習に時間を割きたい。
けれど、周りが足を引っ張り思うに任せない。
なぜ自分の夢が犠牲にならなければならないのか?
だから憎むようになる。


最後には皆が気持ちよく少女を夢へと送り出す。
彼女の背中を押す。
だからなのだろう。
夢の為とははいえ、捨ててはいけないものがあることを
少女は思い出す。

何を大切にして生きるべきか。
それは人それぞれかもしれない。
彼女にとっての、大切なものを見つけた少女を描いた映画。




宝塚の舞台に立ちたい。
そんな夢を抱いている少女、君子。
激しい練習をしても、それは届かないかもしれない夢。
だから焦る。時間が欲しい。
けれど、彼女を頼る祖父、自分の夢を理解しない学友。
それらが彼女の足を引っ張る。だから憎くなる。
母親を亡くし父親も事故によって足が不自由。
寂れていく街、次々と閉店してゆく近所の店。
ここには未来はないのかもしれない。
足を失った父親ならば、なおさらに、そう思うだろう。
父親から、この店を継がなくていい、と宣言された、勇介。

今度新入部員が入部しなければ廃部になる演劇部。
男二人しかいない。助っ人に頼んだ友人も逃げ出した。
君子に頼りたい。でも、それは拒絶されそう。
一人悩む勇介。

絶望的な未来、とても重苦しい閉そく感が感じられてしまう、映画の前半。


君子の夢を知った、君子の母親。
なぜ自分に教えてくれなかったのか?
自分の無力さ、そして娘に頼りすぎていた自分。
親なら誰でも、
自分の子供に自分が抱えている負の遺産を引き継がせたくはない。
だから、君子の夢を母親は許したのだろう。

新入部員勧誘の為に考え出した、マツケンサンバの出しもの。
とてもパワフルで未来に対する憂鬱など、
吹き飛ばしてしまうくらいに、明るい。
だからなのだろう、父親の仕事を継ぐ事を決めた勇介。
気の持ちようで未来は明るく開けてゆく。
それは幼い考え方かもしれない。
しかし、父親に再び明るくなって欲しい、
生きる活力を取り戻してほしい、という想いはとても美しい。


受験に旅立つ日。
厭な事から逃げ出したい、
そんな汚い自分の心に向かい合った君子。
そして宝塚受験を断念する。

君子のラストの笑顔が美しい。
厭な事から逃げ出したかった。
父親との約束を叶えたかった。
しかし、それ以上に、多分、君子は本当は純粋に宝塚に憧れていたのだろう。
けれど、大切な人々の為に夢を捨てた君子。
そして彼女は、それを後悔はしていないはずだ。
そんな彼女の笑顔が、どこか寂しげで、しかし美しい。
何を大切にして生きるべきか。それは人それぞれかもしれない。
彼女にとっての、大切なものを見つけた少女を描いた映画。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
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