海角七号/君想う、国境の南  
2011.12.22.Thu / 19:18 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。






昔は一つの島の中で、
共に手を取り合い生きてきた日本の人々と台湾の人々。
終戦と共に、そんな時代は終わりを告げる。

台湾の人々は、その時代のことを忘れてはいない。
けれど、日本の人々は、それを忘れてしまっている。
それを思い出して欲しいという願いが込められた映画。

映画としては、もの足りない点もある。
けれど、感じられる想いは誠実で純粋なように感じられた。
日本人への台湾からのラブレターにも似たような映画。





都会で夢破れ、故郷でくすぶっている青年、阿嘉。

モデルをする為に台湾に来たのに、
いつの間にか、マネージャー兼通訳をやらされている、友子。

街おこしの為に結成された即席バンド。
しかし、素人の集まりである彼らでは、
思うように練習は進まない。
それにいら立つ、友子。
ここまでは、主役二人の感情の流れが、なんとなくわかるし、
共感できる部分もあった。
しかし、これ以降の話では、私だけかもしれないが、
二人の心情が全く分からなくなってしまった。

なぜ、二人は恋に落ちるのか?
なぜ、友子はバンドのメンバーを許し友好的になるのか?

これは、阿嘉が隠し持っていた手紙を、
二人が恋に落ちるより先に、友子が読んだ方が効果的だったように思える。
つまり、映画では、恋に落ちる、手紙を読む、という順序だったが、
手紙を読む、友子が阿嘉を見直す、
手紙を届ける手助けを皆がする、恋に落ちる、
バンドのメンバーをも見直す、
という順序のほうが映画的には、よかったように思える。

しかし、この映画が凡作かというと決してそうではない。
何か不思議な魅力があり、それ故に惹きつけられてしまったのも事実だ。
それは、作り手側の誠実な態度にあったのかもしれない。
バンドのメンバーの味のある役者たちが良かったとも思える。
しかし、この映画に込められた願いが、
一番大きな魅力を生み出しているように感じられた。

この映画を見てとても驚いたのは、
この映画がとても親日的に創られていることだ。
終戦により恋人を捨てなければならなかった青年の想いを、
情緒たっぷりに描いており、しかも、捨てた青年を責めるどころか、
この別れを悲劇として描いている。
しかも、現代に生きる二人には、
同じ過ちを繰り返させないラストまで用意している。

この映画を見れば、単に日本の良い点だけを盲目的に、
製作者サイドが見ているわけではないこともわかる。
日本人に過去、辛い目にあわされた女性や、
「日本人は難しい」というセリフさえも出てくる。
決して日本を知らない人々によって制作されたわけではない事が分かる。

この映画が台湾で多くの人々に受け入れられ、
大ヒットを飛ばしたというのは、さらに驚きだ。

日本人は忘れてはならないことを忘れてきたのかも知れない。
そんな思いに捕らわれてしまう、ラストシーン。
映画としては、もの足りない点もある。
けれど、感じられる想いは誠実で、とても純粋。
それが、この映画の一番大きな魅力のように感じられた。

日本人への台湾からのラブレターにも似たような映画。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
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2008年の9月に台湾で公開され、大ヒットを記録した映画『海角七号/君想う、国境の南』。 台湾の歴代映画興行成績ランキングで、2位という記録を打ち立てた映画です。 第二次世界大戦終戦時と現代の、台湾人と日本人のふたつの恋物語を、台湾の南端・恒春ののどかな雰...
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