ブンミおじさんの森  
2012.01.12.Thu / 22:17 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。







とても理解しがたい不思議な映画。

輪廻転生を描いているようで、
現代の社会を風刺しているようでもある。

今まで分け隔てられてきた、と考えられてきたもの
死の世界と生の世界。
神秘な世界と現世。
自然の世界と人間社会。
前世の記憶と現世の罪、そして死後の魂の行き着く先。
選択した後の世界と違う選択をした世界。

しかし、それらは繋がっているという不思議さ。
そんな不思議さがとても自然に描かれているという驚き。

気付かなければ平和な世界。
けれど、気付いてしまえば、
この世界は不安定に移ろうように見える。

我々は忘れてはいけないことが沢山あるのではないのだろうか。
そんな気にさせる映画。




死期が近い、ブンミおじさん。
そのブンミおじさんの周りに集まってくる知人たち。
すでに死んでしまった妻。
この世を捨てて神秘の世界に行き、変わり果てた息子。
彼らが同じ食卓に座るという不思議さ。
けれど、それがとても自然に見える。
大切な人の死期に見送りに集まるというのは、
当たり前のことなのだろう。
滝に自らの姿を写す女王。
心が美しいから綺麗に写るのだろうか?
しかし、女王は、その身を水の神に捧げ、
なまずへと姿を変えてしまう。

独裁者が支配する未来の世界。
そこにあるのは過去の人として消去されることへの恐れ。

ブンミおじさんの葬式が終わり、
ホテルでテレビを見るジェンとトン。
けれど外食も同時にしている。
外食を選んだ世界とテレビを見続ける世界は、
どこかで繋がっているのかもしれない。



この映画はストーリーよりは感性で見せる映画なのだろう。
私が一番感じたことは、
この世では別なものとされている世界が、
実は繋がっているということ。
繋がっているというよりは、
重なっているといったほうが、良いかも知れない。

生前の記憶や自分の生まれた場所。
未来の世界、息子の世界、そして自身の魂の行く先。
それらは不思議な絆や生を超えた記憶、並列世界などで
重なっている。

そして、そんなことは知らない方が、
この世界では安心して暮らせるのだろう。
それは、知ることは恐怖に繋がるから。
けれど、その恐怖が謙虚さや慈しみに変わるのかもしれない。
とても理解しがたい不思議な映画。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
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