スリ  
2012.01.12.Thu / 22:20 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。






ストーリーよりは、
それぞれの場面を描くことに重きを置いたような映画。
だから、人によって様々な感想を持つであろう映画。

自分を捨て、裏切り、大切な物を傷つける、人という生き物。
本当に人は信じるに値するのだろうか?
しかし自分さえ信じる事ができれば、
人は生きてゆけるのだろう。

裏切りを恐れる女と、それでも強く生きる男。
そのどちらもが人間なのだろう。
親子の対照的な生き方が印象的な映画。


そして、すべてのキャストが素晴らしい。
そんな彼らの演技も見事な映画。





両親に捨てられ、
スリである海藤に育てられた女性、レイ。
世間を憎み、しかし、捨てきれずに生きている。

自分を捨てた両親。
犬を捨てる人間。
父同然の海藤を裏切った兄。
海藤を奪おうとする鈴子。

その誰もが怪しくて信じることなどできはしない。
それでも信じたい。

両親は本当は良い人だと思いたい。
兄からのプレゼントも捨てられない。

目の前にいる一樹は、
果たして最後まで自分たちを裏切らないでいてくれるのだろうか。
スリという職業はとても因果な職業だ。
たとえ財布に何が入っていようとも、
相手との関係は捨てなければならない。
それが例え遺書だとしても。


人は弱い生き物。
酒を絶とうと誓っても、すぐに飲んでしまう。
いろいろなきっかけで誓いを破ってしまう。

恋人に裏切られ酒を再び口にした鴨井。
そして鈴子も実は絶ったはずの酒を飲んでいた過去がある。
折角、断酒して今までを積み上げてきた。
それも、些細なきっかけで壊れてしまった。


芸達者な役者たちが、素晴らしい演技を見せる。
その一人一人が素晴らしい。
けれど、この映画の主役は、
原田芳雄さんでもなければ、風吹ジュンさんでもない。
この映画の主役は真野きりなさんではないかと思う。
それほどまでに彼女の演技は神がかっている。

口では強がっている。けれど弱い内面。
海藤に酒を止めさせ、しかし、断酒の発作が生じると、
弱気になり酒を与えてしまいそうになる。
一樹を助けて欲しいと願い、しかし、兄への伝言を拒否する。

人は弱い生き物。強がっていても他人との関係を捨てきれない。
だから、裏切りに怯えてしまう。
しかし、人は強い生き物。
自分を信じ自分の生き方を最後まで貫く力がある。
指がボロボロになっても、痛みに耐えてスリを続ける海藤。

裏切りを恐れる女と、それでも強く生きる男。
そのどちらもが人間なのだろう。
親子の対照的な生き方が印象的な映画。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
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