カンパニー・メン  
2012.01.16.Mon / 22:29 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。






突然の解雇。
それは単に勤めていた会社を首になったというだけではない。
自らの尊厳を奪われ、
未来を失い、
家族からの尊敬を無くし、
自分自身の存在価値を見失ってしまうこと。

けれど、それは錯覚。
自らに価値が無くなったから首を切られたわけではない。
会社はそんなことには無頓着。
そして、未来も家族も、今だそこにある。
そんな価値観の逆転。

全てを奪われ、しかし、失ったものにしがみつづけた男。
そんな男が気付いた価値観の逆転が印象的な映画。
しかし、それもやり直しがきく年齢と気力が条件なのだろうが、、、




ある日、突然、会社を首になる。
多少なりとも、自らの能力が、この会社を支えてきたとの自負があったであろう。
しかし会社は自分をこれ以上必要とはしなくなってしまったのだ。

自らの将来や人生設計は、当然ながら今の会社で働くことで成立している。
養ってきた家族に、なんと説明しなければならないのか。

社会的地位や世間からの評価も会社に属しているからこそ得られてきた。
無職となってしまった男を世間はどのように見るのだろうか?
突然、会社を解雇されたボビー。
しかし、現実を受け入れないままに、失ったものに、しがみつこうとする。
豪邸、自家用車、社会的地位やプライド、そして仕事。
けれど、うまくはいかない。簡単には取り戻せない。
今までは会社に属しているということが、世間から、その身を守ってきた。
しかし、ただの男となってしまった今、すべては、彼の思い通りには動かない。

多くの会社に面接を受けても同じ地位には付けない。
なぜなら、新しい会社にとって、彼は新人。
けれど、そんな事実も受け入れられない、ボビー。

就職活動を進めるうちに見えてきたこと。
家族が、如何に自分に気を使ってくれているのか。
そして、本当に大切なことは、豊かさではないということ。

会社で仕事をしていた時の不安が頭をよぎる。
このまま再び就職しても同じことの繰り返し、なのでは?
誠心誠意、会社に尽くしても切られる時はあっけない。
けれど、義兄の言葉が背中を押す。
「おまえは、大工には向いていない。」
最初は義兄に反発し、大工という職を蔑んでいた。
けれど義兄の気苦労を知り、彼の辛さも理解できた。そして、義兄の優しさも。
だからこそ、ボビーは義兄の言葉に従ったのだろう。



ボビーよりは少し遅れて会社を解雇されたフィル。
長年溶接工をして、現場から出世してきた生え抜きの男。
しかし、ボビーと違い、フィルの場合は事情が異なる。
彼はすでにやり直せる年齢を超えている。
長年、会社に尽くして捨てられた。
ボビーとは苦労も年季も違うだ。
失意の果てに死を選んでしまったフィル。

そんな旧友の、信頼していた部下の死を前にして
原点に帰る決意をした、ジーン。
うまくいくかどうかは判らない。
けれど、物造りの理想に立ち返ろうとしたのだろう。




最後には、昔の上司に誘われて職場に復帰したボビー。
今までとは違って、とても生き生きとしている。
そして最後のセリフが嬉しい。
「失敗しても、たいしたことはない。最後には首になるだけだ。」
首になったからと言って全てを失うわけではない。
大切なものは、まだ、そこにある。
そんな事が理解できたからこそのセリフなのだろう。

全てを奪われ、しかし、失ったものにしがみつづけた男。
そんな男が気付いた価値観の逆転が印象的な映画。
しかし、それもやり直しがきく年齢と気力が条件なのだろうが、、、
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
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