譜めくりの女  
2012.03.15.Thu / 20:38 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。






多くを語らない、この映画からは、
様々な妄想をかきたてられる。

憎しみと憧れ。
愛情と嫉妬。
そんな感情が入り混じって見えた復讐者。


復讐者は、相手に自分と同じ苦痛を、
味あわせたかったのだろう。
夢を奪われた絶望。
憧れた者に裏切られた痛み。

無表情の顔に透けて見える様々な復讐者の感情。
それでも、その奥底に隠された想いは分からない。
そんな不気味さが印象に残った映画。


譜めくりと演奏家との関係。
スポットライトを浴びる側とあたらない側。
しかし、すべてを支配する側と全てを預ける側。
そんな関係の異様な不思議さも印象的な映画。




子供の頃に夢を奪われた女性、メラニー。
メラニーの夢を奪った、アリアーヌ。

映画では明確に述べられてはいないが、
少女の頃のメラニーは、
アリアーヌに憧れていたのではないのだろうか?
だからこそ、演奏中の無神経な行動に対して、
ショックを受け演奏を続けることができなかったのだろう。
そして深い憧れは深い憎しみへと繋がっていったのだろう。
復讐の為にアリアーヌに近づくメラニー。
復讐を遂げるために就かなければならなかった譜めくりの役。
メラニーは用意周到に準備をしたのだろう。
あっという間にアリアーヌのお気に入りの譜めくりとなる。

多分、アリアーヌの2年前の事故もメラニーが画策したのでは?
そう感じてしまう程に、
とんとん拍子にアリアーヌに近づくメラニー。


アリアーヌを見つめるメラニーの瞳の異様さ。
時に憎悪、そして時に憧れ、嫉妬、そして愛。
だからこそ、アリアーヌもメラニーに魅かれていったのだろう。
譜めくりと演奏者という関係以上に。

メラニーの復讐の目的。
それは自分と同じ痛みをアリアーヌに味あわせること。
愛する者に裏切られた痛み。
将来を、夢を奪われた苦痛。
それをアリアーヌに味あわせたかったのだろう。
そして見事に目的を達するメラニー。
しかし、メラニーの最後の表情には、達成感もなければ哀しみもない。
無表情で、何を考えているのか、うかがい知れない。


もしかしたら、メラニーは純粋にアリアーヌを憎んでいて、
憧れの瞳は演技だったのかもしれない。その可能性は十分にある。
そして、それは見るものに委ねられているのだろう。

けれど、私には、
憎しみと憧れ。愛情と嫉妬。
そんな感情が復讐者に入り混じって見えた

様々な妄想をかきたてられる、
とても不気味で異様な雰囲気を漂わせる映画。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
No.971 / タイトル は行 /  comments(0)  /  trackbacks(0) /  PAGE TOP△ 拍手する
COMMENT TO THIS ENTRY

  非公開コメント
TRACKBACK TO THIS ENTRY

ご注意

ブログ内検索

全ての記事を表示する

プロフィール

ヤン

銀河英雄伝説名言録



present by 田中芳樹:徳間書店「銀河英雄伝説」

フリーエリア

FC2カウンター

フリーエリア

ブロとも申請フォーム

フリーエリア

CopyRight 2006 Heaven of the Cinema All rights reserved.