スーパー!  
2012.05.03.Thu / 09:44 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。




殺しちゃいけないって
知らなかったのよ


最初はコメディ映画だと思っていた。
けれど、笑えない。それどころか、
途中からドン引きしてしまう展開。

それは、きっと二人の思い込みの強さ故、
なのだろう。

正義のためならば、ヒーローは何をしてもかまわない。
相手が悪人ならば、レンチで手ひどく殴りつけてもかまわない。
自分の怒りは正義。奪われた妻は自分が取り戻す。
なぜなら、自分は神に選ばれた者。
そして、エスカレートしてゆく、彼らの暴力。

ラストは一見すると、なんだかハッピーエンド。
けれど、これはバットエンドなのだろう。
なぜなら、男の意識は変わっていない、
自分という殻から抜け出せていないのだから。

自らが思い込んだ世界から抜け出せなかった男。
そして最後まで、その世界に浸り続けた男。
そんな男の悲劇を描いた映画。


そして、美形でもセクシーでもない(と個人的には感じている)のに、
なぜか不思議な魅力を放つエレン・ペイジの怪演が、
その最後も含めて、とても印象的な映画。




ダイナーで働く冴えない中年男、フランク。
美しいサラとの結婚式。警察官の強盗逮捕を助けた事。
この2つだけが、自身の人生の輝ける瞬間。
しかし、悪人に妻を奪われてしまう。
自分は清く正しく生きていた。
なぜ自分がこんな不幸な目にあわなければならないのか?
神はなぜ、このような不公平を許しているのか?
これでは自分が世界で一番可哀そう。

起こった現実に対する原因には目をつぶり、
自分の都合の良いところだけを都合の良いように解釈し、不平を言う。
そして不思議な結論を導き出す。
自分は神に選ばれた存在、だから神から与えられた指名を果たすため、
正義の為に戦う。


確かに最初の彼は、大目に見れば正義の為に戦っていた。
しかし、個人の判断には限界がある。
そして、並んだ列に横入りした男に制裁を加えたのは正義の為だったのか、
それとも自らの怒りが、そうさせたのか、、、、


一人で戦っていた彼に仲間ができる。
頼もしい仲間のはずなのに、その仲間の存在が、
フランクの行為をエスカレートさせてゆく。

ついに妻を取り戻すべく、
武器を大量に買い込み、爆弾を大量に製造し、
敵のアジトに乗り込んでは大量虐殺を繰り広げてしまう。

悪を倒しても何も変わらないだろう。
けれど始めてしまったことは止められない、もう後戻りはできない。


神が選んだのは本当は自分ではなく、妻のサラ。
夢でサラがうなされるのは、不器用な男に優しさを示させる為。
だから、ビリーや自分の戦いは無駄ではなかった、、、
それは、フランクの都合の良い解釈なのだろう。
起こってしまった出来事がとても悲惨で悲劇的であるにもかかわらず、、、


最初は些細な出来事がきっかけだった。
フランクにも言い分はあり、大目に見れば彼の行為は正義の行いだった。
しかし、それは次第にエスカレートし、過激な結果を生んでしまった。

アメコミにあるコマとコマの間。それは決して描かれることはない。
それはヒーローには現実世界は存在しないから。
しかし自分たちにはコマとコマの間の世界が存在することを理解しているフランク。
この時点で気づくべきだったのだろう。
自分たちとアメコミのヒーローとは違う存在であるといことを。


自らが思い込んだ世界から抜け出せなかった男。
そして最後まで、その世界に浸り続けた男。
そんな男の悲劇を描いた映画。


* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
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