善き人  
2012.05.10.Thu / 09:52 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。






善き人であった男。

もう少し幸せに暮らしたい。
そんな、ささやかな願いを叶えるために選んだ道。
その道が大きくて悲惨な悲劇を生んでしまう。

彼の善良さは最後まで何も変わらない。
けれど、知らず知らずのうちに悪事に加担させられ、
気づいた時には、取り返しのつかない悲劇になってしまった。

果たしてどうすればよかったのか?
善き人でいる事は容易いのかもしれない。
けれど、善き行いをするのは難しい。
時代に流されず、ささやかな幸せへの夢を拒めばよかったのか?

善き行い。
その選択の難しさが心に響く映画。




大学の講師、ジョン・ハルダー。
体が不自由な母親。
ピアノに没頭すると止められない妻。
二人の幼い子供たち。
そんな人々に囲まれて生活しているハルダーは、
私生活では家事もこなさなければならない、台所の天使。
そんなハルダーに転機が訪れる。
総統に認められた小説。教え子が自分に恋をする。
それらの選択をすれば、今よりは、ずいぶんマシな生活を送ることができるだろう。
ハルダーは、確かに善良な人だ。
人を不幸にしたくて、そのような選択をしたわけではない。
けれど、自分のささやかな幸せを求めて下した選択が、周りの人々を不幸にし、
結局のところ、最悪な悪事に加担させられてしまう。


ならば、彼の何が悪かったのだろう。
深く思慮もせず選択をしてしまったことなのか?
相手のことを良く知りもせず、知ろうともせず、従ってしまった事なのか?
それとも、本来の幸せの意味を見失ってしまった事が悪かったことなのか?
妻や母親を甘やかさず厳しい態度で自立を促せば良かったのか?

歴史を後から振り返れば、あの時の選択は間違いであった、
と言うことは簡単だ。
けれど、映画の冒頭に描かれた彼の幸せだが目の回るような忙しい生活。
そこから抜け出したいと欲し、抜け出すチャンスが目の前にぶら下がった。
それに飛びついてしまったことを誰が責められるだろうか?

最後まで友の身を案じたハルダー。
彼の人間性は最後まで変わらず、善だ。
けれど、結果として悪事に加担してしまった。
善き人でいる事は容易いのかもしれない。
けれど、善き行いを選ぶのは難しい。

善き行い。
その選択の難しさが心に響く映画。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
No.987 / タイトル や行 /  comments(0)  /  trackbacks(1) /  PAGE TOP△ 拍手する
COMMENT TO THIS ENTRY

  非公開コメント
TRACKBACK TO THIS ENTRY
善き人であった男。もう少し幸せに暮らしたい。そんな、ささやかな願いを叶えるために選んだ道。その道が大きくて悲惨な悲劇を生んでしまう。彼の善良さは最後まで何も変わらない。けれど、知らず知らずのうちに悪事に加担させられ、気づいた時には、取り返しのつかない悲...
2012.05.10.Thu .No507 / まとめwoネタ速neo / PAGE TOP△

ご注意

ブログ内検索

全ての記事を表示する

プロフィール

ヤン

銀河英雄伝説名言録



present by 田中芳樹:徳間書店「銀河英雄伝説」

フリーエリア

FC2カウンター

フリーエリア

ブロとも申請フォーム

フリーエリア

CopyRight 2006 Heaven of the Cinema All rights reserved.