潜水服は蝶の夢を見る
「ネタバレ」あり。ご注意願います。
体の自由を失った男。
しかし、まだ心の自由は失われてはいない。
人間の尊厳とは、他人にどう扱われ、
どのように思われることに依存するのではない。
自分が自分自身をどう思うかに依存しているのだろう。
男に残された心の自由。
その想像力と記憶で自由に羽ばたき、自らの尊厳を守った男。
美しい映像とともに、人間の無限な可能性を描いた映画。
突然の発作により、体の自由を失ったジャン。
鏡に映った変わり果てた自分の姿。
まるで赤ん坊のように体を洗ってもらう自分。
そんな状況に、死にたいと最初は願ったが、自らを憐れむのを止める。
なぜなら彼には、まだ残された自由があるからだ。
それは、彼が持つ記憶と想像力。
企画途中であった本を別な形で仕上げようとする。
- [2008/05/01 22:26]
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ゾディアック
「ネタバレ」あり。ご注意願います。
ゾディアックと名乗る男が、
公認されているだけでも5人の人間を惨殺し、
新聞社に脅迫状を送り続けた、60年代に発生した連続殺人事件。
しかし、その怪奇性や猟奇性を描こうというよりは、
この事件を記録として残そうとした姿勢が強く感じられる映画。
この事件に関わった人々は三種類に分けられるように感じられる。
ゾディアック自身、もしくはその名前を語り、
世間を騒がせ、支配した気になり、快楽に浸った人々。
自らの名前が公となり、ゾディアックの攻撃の対象となり、
被害を被った人々。
そして、家族を犠牲にしてまで純粋に謎解きを楽しんだ男。
三者三様のかかわり方を通して、
ゾディアック事件を忠実に記録として残そうとした映画。
そして、私には、人が謎との距離をいかにして取るのかが印象的な映画。
- [2008/04/10 22:22]
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戦場のアリア
「ネタバレ」あり。ご注意願います。
同じことに感動し、同じことに心を痛めた。
同じことに嫌気がさし、同じ事を楽しんだ。
そして分かった。敵と思っていた人々も同じ人間。
悪魔などではない、同じ感情を持った人間であることを。
そんなことがわかった時、
見知らぬはずだった人々は良き隣人となり、
もはや、殺す対象としては考えることができなくなってしまった。
この映画では、それらが丁寧に、そして説得力をもって語られる。
しかし、それでも国は、相手を殺すことを強制する。それは、宗教でさえも。
戦争というものの、救いがたさ、
しかし、人は変わることができるということが印象的な映画。
映画の冒頭。国と宗教に洗脳されてしまった少年たちの独白。
それは国と学校、宗教による洗脳の結果なのだろう。
「戦争が始まった。俺たちの人生が開けた。」
そんな言葉を発して、率先して戦争に志願する兄弟。
これも洗脳の結果なのだろう。
最初はきっと厭戦気分からだったのだろう。
クリスマスにも家族には会えず、心も休まらない。
しかし、戦場にもたらされたクリスマス。
楽しげなバグパイプの音色、美しいテノールの歌声が、
一日限りの停戦をもたらした。
- [2008/02/28 21:31]
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親密すぎるうちあけ話
「ネタバレ」あり。ご注意願います。
愛にはさまざまな形がある。
初対面ゆえに、なんのしがらみもなく、
だからこそ、なんでも話せた。
なんでも話せるが故に開かれてゆく心。
ありえそうで、現実的ではない。
不思議な雰囲気、神秘的でいて、しかし、どこか温かい。
たとえ当事者たちが意識していなくても、
そこに駆け引きが発生し、スリリングでいて、とても艶っぽい。
明らかにこれも恋愛の一つの形なのだろう。
愛にはさまざまな形がある。
そんなことが印象に残った映画。
離婚をして、安定はしているものの、
退屈な日々を過ごしている男、ウィリアム。
結婚をしてはいるものの、愛のない生活を送る女、アンナ。
アンナが間違って開いてしまった扉。
それが、二人の心の扉を開いてゆく。
- [2008/02/21 22:13]
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ジェイン・オースティンの読書会
「ネタバレ」あり。ご注意願います。
自らが心の底で欲している自らの幸せ、願望。
しかし、人は誰もが、そこにまっすぐには歩んではいない、歩むことができない。
偏見、プライド、嫉妬、義理、友情、良識、そして不幸な出来事。
人生の岐路に立った時、そんな感情や出来事が入り混じり、
幸せへの判断がつかないでいる。
こんな時、ジェイン・オースティンならどうするのか?
いいえ、自らが自らに、そう問いかけることで、
自らが本当に欲する道が見えてくる。
物語の力を借りて、自らの本心にたどり着く人々を描いた映画。
- [2008/02/14 21:51]
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